【Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)】 LoRA モデルの使い方と設定

この記事では、Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)を使ってLoRAモデルを活用する方法を解説しています。
この記事は、事前に、Stable Diffusion WebUIがインストール済み、またはアクセス可能な環境が整っていること、
そして「kohya_ssで学習したLoRAモデル」または「外部からダウンロードしたLoRAモデル」が手元にあることを前提としています。



Stable Diffusion WebUIのダウンロード方法と、
LoRA モデルの学習に関しては、以下のリンク記事をご覧ください。
Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)のダウンロード方法に関しては、 こちらの記事をご覧ください。


ローカル環境での、LoRA モデルの学習に関しては、 こちらの記事をご覧ください。


クラウドGPU【Colab】での、LoRA モデルの学習に関しては、 こちらの記事をご覧ください。


クラウドGPU【RunPod】での、LoRA モデルの学習に関しては、 こちらの記事をご覧ください。


LoRA モデルを Stable Diffusion WebUI で使う方法
- モデルを読み込む場所にコピー
LoRAファイル名.safetensors
を以下のフォルダに移動またはコピーする。C:\AI\stable-diffusion-webui\models\Lora\
- Web UI を起動
- Prompt にLoRAを呼び出す文を追加
たとえば<lora:LoRAファイル名:0.7>
0.7
はLoRAの強度です。おすすめは 0.6~0.8 あたり。
お好みで0.5
や1.0
に調整して試せます。 - 通常どおりPromptを入力して画像生成!
- WebUIが起動したら、「txt2img」タブへ。
Prompt
に以下のように入力します
ステップ①:LoRAモデルを WebUI に認識させる
- 以下のフォルダを開く。
※なければLora
フォルダを手動で作ってください。
C:\AI\stable-diffusion-webui\models\Lora
LoRAファイル名.safetensors
をその中にコピー or 移動します。
※自作LoRAの部分が自身の.safetensors
ファイル名。
ステップ②:WebUI を起動する(※開いている場合は、再起動)
- 開いている場合は、WebUI(黒いコマンド画面)をいったん閉じて、
webui-user.bat
をダブルクリックして再起動してください。
これで新しく追加した LoRA を WebUI が認識します。
ステップ③:LoRAを使って画像生成する方法
<lora:自作LoRA:0.8>
ーーーーーーここにプロンプトーーーーーーー
<lora:自作LoRA:0.8>
の部分が LoRAを適用する命令です。自作LoRA
→ ファイル名(拡張子なし)0.8
→ 強度(おすすめ:0.6〜0.9)
- 「Generate」をクリックすると、LoRAを適用した画像が生成されます!
自動補完でLoRAを選べる
Prompt
入力欄の下にある 「LoRA」タブをクリックすると、アップロードされたLoRA一覧が表示され、クリックで自動挿入できます。
LoRAの強度調整方法
基本構文
<lora:LoRAファイル名:強度>
例:
<lora:LoRAファイル名:0.8>
- LoRAファイル名(拡張子
.safetensors
は不要) 0.8
:LoRAの適用強度(重み)
強度の目安
強度 | 特徴 |
---|---|
1.1〜1.3 | LoRAの特徴がより強く出る |
1.0 | フル適用。効果が強く出るが、画像が崩れることも。 |
0.6〜0.8 | 安定感のあるおすすめ範囲。 |
0.4〜0.6 | 他のLoRAと併用する時や、影響を抑えたい時に最適。 |
0.2〜0.3 | ほのかに雰囲気だけ反映させたい場合に。 |
Prompt調整のコツ
LoRAの個性を引き出すためのPrompt例
① キャラ系LoRAの場合
<lora:LoRAファイル名:0.7>, 1girl, long hair, fantasy outfit, beautiful eyes, (masterpiece), (best quality)
1girl
やlong hair
はLoRAの学習データの傾向に合わせると効果的。(masterpiece)
や(best quality)
などの強調タグは、出力の品質向上に役立ちます。
② 絵柄系LoRA(画風・塗り)
<lora:LoRAファイル名:0.6>, a portrait of a woman, detailed face, dramatic lighting, digital painting
- 画風LoRAは絵柄を変えるので、強度を控えめ(0.5〜0.7)にすることが多い。
Prompt強調と否定
強調したいタグ → 括弧で囲む
(masterpiece)
→ 通常の1.1倍強調((best quality))
→ 二重括弧でさらに強調
⛔ 否定Prompt(「Negative Prompt」欄)を使うと、ノイズを防げます
EasyNegative, bad hands, low quality, blurry, worst quality
調整のステップ
- LoRAファイルを
<lora:LoRAファイル名:強度>
で読み込む - PromptはLoRAの学習内容に沿うように書く
- 強調・否定を活用して品質調整
- 強度は0.6〜0.8を基準に、試しながら微調整
LoRAファイルをしっかりバックアップ!
- 外付けドライブやクラウド(Google Driveなど)にも保存しておきましょう。
生成サンプルを残しておく
- いろんなPromptや強度で試して、比較用の画像も保管すると後で役立ちます。
特に良い生成PromptとNegative Promptもメモ
- 自分だけの黄金レシピになります。
Sampling method(サンプリング方法)
サンプリングとは?
Stable Diffusionは、「ノイズのかかった画像から、少しずつノイズを取り除いて綺麗な画像にしていく(逆拡散)」というプロセスで画像を生成します。このノイズ除去のステップで使われるのが「Sampling method」です。
主なSampling methodの種類と特徴(AUTOMATIC1111に搭載)
名前 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
Euler | 速くてシャープ。ステップ数が少なくても良好 | クイックプレビュー向き |
Euler a(ancestral) | ノイズ多めで芸術的。ランダム性強め | カオス感や抽象表現に向く |
DDIM | 高速・滑らか。制御がしやすい | 少ステップでもまとまりが良い |
DPM++ 2M Karras | 安定した高画質。比較的速い | 現在主流の1つ |
DPM++ SDE Karras | 非常に高品質。リアル系や写真系に強い | ステップ数に注意(20以上推奨) |
Heun | 画風は落ち着いていて、安定 | Eulerと近いが少し違う味 |
LMS | 古参方式。柔らかい出力傾向 | SD 1.4初期に人気 |
Sampling methodは画像の雰囲気や質感に直接影響します。「どの手法が一番いい」というよりも、「目的に応じて使い分ける」のが基本です。
同じプロンプトでも、Sampling methodを変えるだけで大きく印象が変わるため、試してみるのがおすすめです。
Web UIの画像保存方法(AUTOMATIC1111版)
① 画像生成後に表示される場所
画像を生成すると、画面の下部または**右側の「生成画像のプレビューエリア」**に画像が表示されます。
② 方法A:右クリックで保存
- プレビューに表示された画像の上にマウスをのせる
- 右クリック → 「名前を付けて画像を保存」を選択
- 保存したい場所を選んで保存します(例:ドキュメント/作品フォルダ)
③ 方法B:「PNG」ボタンで保存(※便利)
- プレビュー画像の右下にある「PNG」ボタンを押すと…
- 画像+メタデータ(使用したプロンプトなど)も含めて
.png
ファイルがダウンロードされます
これが後でプロンプトを再利用するのに便利です!
④ 生成履歴(履歴タブ)
- 上部タブの「PNG Info」や「生成履歴(History)」がある場合
- 過去の生成画像を再度確認・読み込み・再生成できます(拡張機能が必要な場合も)
保存場所(自動保存)
生成された画像は、基本的に次の場所にも自動保存されています
stable-diffusion-webui/outputs/txt2img-images/yyyy-mm-dd/
📁 D:\AI\stable-diffusion-webui\outputs\txt2img-images\2025-06-07\(など)
プロンプトを確認する方法(.pngに埋め込まれたメタデータ)
.png
画像に埋め込まれたプロンプト情報は、AUTOMATIC1111 Web UIの「PNG Info」タブから簡単に確認できます。
【ステップ①】Web UIを起動して「PNG Info」タブへ
- Webブラウザで
http://127.0.0.1:7860
を開く - 上部のタブから「PNG Info」をクリック
【ステップ②】画像を読み込む
- 確認したい
.png
画像をドラッグ&ドロップするか、ファイル選択でアップロード - 読み込まれた画像の下にプロンプト・ネガティブプロンプト・各種設定が表示されます
表示される内容の例
- Prompt(通常のプロンプト)
- Negative prompt(ネガティブプロンプト)
- Steps, CFG scale, Sampler などの生成設定
- 使用したモデル名やLoRAなども含まれます
再生成も簡単!
「PNG Info」に表示された情報は、ワンクリックで「txt2img」タブに送ることができます。
「Send to txt2img」ボタンを押せば、その設定のまま再生成できます!
試すときのコツ
- 少しずつ上げながら、崩れたり不自然になってないかをチェックするのが安全です。
- PromptやNegative Promptと組み合わせて、「強さ+調整」で最適化できます。
いろんな値を試してみて下さいね!
段階的に出力を見て、お気に入りのLoRAが どの強度で一番魅力的になるかを探すのは、創作の醍醐味でもあります。又、今のモデルをベースに、さらに洗練されたバージョンを作ることも可能です!