1⃣初心者でも難しくない!Hugging Faceで始めるAI画像生成モデル入門

目次

Hugging Faceとは?

AIの話題でよく聞く「Hugging Face(ハギングフェイス)」。

Hugging Faceは、世界中のAIモデルやツールを誰でも手軽に試せるAIのオープンプラットフォームです。
もともとは自然言語処理(NLP)に強みがありましたが、今や画像生成・音声・翻訳・ロボティクスなど幅広い分野で注目されています。

こんな事が出来る!

  • 高度なAIモデルを検索・閲覧・実行
  • ブラウザだけで試せる*デモUI(Spaces)(*デモ用の操作画面)
  • 自作モデルのアップロードや共有
  • Google Colabなどと組み合わせてカスタム実行

特に注目されているのが、画像生成モデル(Stable Diffusionなど)を使った創作。
絵が描けなくても、テキストだけでアートを生み出すことができます。

無料・有料の使い分け、登録方法も簡単!

Hugging Face Hubの使い方(モデル検索、Spaces体験)

Hugging Face Hubは、まるで「AIモデルの図書館」。
世界中の研究者や開発者が公開したモデルが並び、誰でも自由に使うことができます。

まずはモデルを探す

  1. Hugging Face公式サイト にアクセス
  2. 上部メニューから「Models」をクリック
  3. 検索バーに「image generation」や「Stable Diffusion」と入力
  4. モデルページでは「概要・使用条件・タグ・使い方」などが一覧に

ポイント:

  • 「License: open」などで商用利用可能モデルに絞り込み可能
  • 「likes」や「downloads」の多いモデルは人気が高く、安定しています

ちょっとだけ派生モデルの話

今紹介したStable Diffusionには、いろんな「派生モデル」が存在します。
キャラクター特化、背景美化、アニメ調、写真風など、用途に特化したものが次々と生まれていて、まるで“AI版 Photoshopのフィルター集”のような存在です。

本記事では詳細は省きますが、Colabでの活用法と一緒に別ページでご紹介していますので、後ほどぜひチェックしてみてください!

Spacesで“まず試す”体験ができる

Hugging Face Spacesは、開発者や研究者たちが自分の作ったAIモデルを誰でも使えるように公開している場所で、Webブラウザで開くだけで、画像生成や対話AIなどを試せる小さなアプリのようなものです。

モデルによっては、「Spaces(スペース)」というブラウザ実行デモが用意されています。
これは、インストール不要・ログインだけで即体験できる実験室のようなもの。

たとえば

  • Stable Diffusion Playground → テキストから画像を生成
  • Anything V5 → アニメ調の画像生成
  • ControlNet → 線画から着色、ポーズコントロールも可能!

使い方

  1. モデルページの「Spaces」欄から該当スペースをクリック
  2. テキストボックスにプロンプト(例:a cat riding a skateboard)を入力
  3. 「Generate」を押すだけで、数秒後に画像が表示!

⚠ 商用利用の注意点 〜“自由に使える”実態〜

Hugging Face Hubで公開されている画像生成モデルは、基本的に誰でも利用できます。
ただし、「商用利用」には注意が必要。
“無料で使える=商用OK” ではないのです。

Hugging Face Hubでの「LICENSE」確認のコツ

① モデルページの右上をチェック

モデルページを開くと、右上に「License: MIT」などと目立つ場所にライセンス情報が表示されていることが多いです。
ここを見れば、どのライセンスに基づいて公開されているかがすぐにわかります。

② READMEやLICENSEファイルを見る

モデルのREADME(紹介文)や、リポジトリ内にあるLICENSEというファイルに、詳細な条件や注意点が書かれています。

探し方

  • 「Files and versions」タブ → LICENSEというファイルがあればクリックして読む
  • READMEに「Terms of use」「License」「Attribution」などの項目がないか確認

③ 商用利用可能かどうか、ざっくり見分けるヒント

ライセンス名商用利用特徴
MIT / Apache-2.0 / BSD✅ 可能比較的自由。クレジット表記だけでOKなことが多い
CreativeML Open RAIL-M✅ 条件付き可能著作権・倫理面でガイドラインがある。読み込み推奨
CC-BY 4.0✅ 可能(要クレジット)利用OKだが作者の名前を記載する必要あり
Non-commercial / Research-only❌ 不可研究や個人の範囲内でしか使えない
Other / Unknown❓要確認リスクがあるため、読み込むか開発元に問い合わせ推奨

④ 商用利用前のチェックリスト

  • ☑ ライセンスに「commercial use OK」などの文言があるか?
  • ☑ 作者や開発元が「商用利用できます」と明記しているか?
  • ☑ 利用規約・READMEに「Prohibited: use for commercial purposes」などの禁止事項がないか?
  • ☑ 商用ライセンスについて別プランがあるモデルで「無料版は非商用のみ」の記載がないか?

不安なときは?

  • 「LICENSE: other」や記載が曖昧な場合は慎重に!
     → 商用利用を避ける、または開発者に問い合わせましょう。
  • GitHubとの併用確認もオススメ:
     多くのモデルはGitHubにもミラーがあります。GitHub上でのLICENSEファイルも併せて確認すると安心です。

このように、目立つ部分+README+LICENSEファイルの3点確認が基本です。!

Stable Diffusionの「コミュニティライセンス(Community License)
Stability AIが配布するモデルに付属するライセンス形態について
詳細はこちらをクリック!

基本的な考え方

生成した画像の利用と、モデル自体の利用・再配布は別問題

  • 画像を使って利益が出た(例:SNS収益、YouTube収益、広告付きブログ)
    • 通常は 「画像の商用利用」とみなされる可能性があります
    • ただし、モデル自体を再配布したり、APIとして提供していなければ、比較的許容されているケースも多いです。
    • つまり、以下のように考えるのが安全です

      生成画像をTwitterやブログに投稿し、収益が発生
      グレー (利益が発生していれば商用寄りの扱い。許容されることも多いが注意。)
      生成画像をTシャツにして販売、NFTとして出品など
      商用 (明確な商用利用に該当)
      生成画像を非収益のSNSアカウントでシェア
      非商用 (個人の趣味利用として広く許容されている)


      Hugging FaceやStability AIの見解(参考)
      Hugging Faceに掲載されているモデルでは、「Commercial Use(商用利用)」というタグが明記されていることがあります。
      Stable Diffusionのライセンス文書(例)では、明示的に「商用利用にはStability AIの許可が必要」と書かれています。

      安全に使うためのまとめ
      SNS投稿でも、収益がある=商用になる可能性あり(要注意)
      グッズ販売・サービス提供などは 完全に商用扱い
      商用利用を考えるなら:
      CreativeML Open RAIL-M ライセンスなど商用OKなモデルを使う
      あるいは「明確に商用可能」と記載されたモデルを選ぶ
      必要ならStability AIなどに個別確認も視野に

画像の再利用・配布にも注意

  • AIで生成した画像を販売・配布・SNSで公開したい場合、
     元モデルのライセンスがその行為を許可しているか確認が必要です。
  • また、モデルが何を学習データに使っているかにも注目しましょう。
     著作権的にグレーな素材から学習されたモデルの出力を使う場合、
     商用展開ではトラブルの原因になることも。

たとえば
Stable Diffusion v1は、著作権のある画像が含まれていた可能性があり、商用には慎重な判断が必要。
SDXLやPlaygroundは、商用向けにクリーンなデータで再構築されたと言われています。

実際に画像生成を体験してみよう!

たとえば、以下のようなSpacesがあります

使い方は超シンプル!

  1. Hugging Faceアカウントを作成(無料)
  2. 気になるSpacesを開く
  3. 指示に従って、プロンプトや画像を入力
  4. 「Generate」ボタンを押すだけ!

まさに「触って楽しい、試して納得」の体験です。


🚦注意点

  • 一部のSpacesはGPU使用数に制限があり、混雑時に遅くなることも
  • 無料枠では保存・アップロード回数が制限されるモデルもあります。

ただし、初めてAIに触れるには最高の入り口。とりあえず一回触ってみると、世界が変わります。

初心者におすすめのSpacesリンク集

迷ったらコレ!初心者でも安心して触れる、使いやすくて楽しい画像生成系Spacesをピックアップしました。プロンプト入力だけで、すぐに画像が出力されます!

Stable Diffusion

定番中の定番。プロンプト(例:「a futuristic city at night」)を入れてボタンを押すだけで、美しい画像が生成されます。日本語もある程度OK。

CLICK!
Hugging Face Spaces 上で公開されている公式・代表的な Stable Diffusion アプリケーションの一例です。各スペースではモデルのバージョンやUIの機能が異なるので、用途に合わせて試してみてください。

1. stabilityai/stable-diffusion (v2-1)

  • モデル:Stable Diffusion 2.1
  • 機能:テキストプロンプトから画像生成、ネガティブプロンプト対応、ガイダンススケール調整
  • 特徴:メタデータ削除などのオプション付き。web UI から直接プロンプトを入力し、高解像度の画像生成が可能。
  • リンク先:stabilityai/stable-diffusion ハギングフェイス

2. stabilityai/stable-diffusion-3-medium

  • モデル:Stable Diffusion 3.0 Medium
  • 機能:プロンプト入力による画像生成、出力サイズやカラースタイルの設定、シード値の指定
  • 特徴:3.0 系の中核モデルとしてバランス重視。従来モデルよりも細部表現が向上しています。
  • リンク先:stabilityai/stable-diffusion-3-medium ハギングフェイス

3. stabilityai/stable-diffusion-3.5-large

  • モデル:Stable Diffusion 3.5 Large
  • 機能:高品質出力向けに最適化、複雑なシーンや多彩なスタイルをサポート
  • 特徴:3.5 系ではさらに微細なディテールが再現可能。大判プリントなど高解像度用途におすすめ。
  • リンク先:stabilityai/stable-diffusion-3.5-large ハギングフェイス

4. google/sdxl

  • モデル:Stable Diffusion XL (SDXL)
  • 機能:シネマティック、フォトグラフィック、アニメ調など複数スタイル対応。解像度は最大1024×1024ピクセル。
  • 特徴:TPUv5e 上で動作するため速度も比較的速く、大画面出力に向く。WAN 対応でクラウド実行もスムーズ。
  • リンク先:google/sdxl ハギングフェイス

使い分けのポイント

  • 入門〜汎用stable-diffusion(v2.1)が最も手軽。
  • 表現力重視stable-diffusion-3.5-large でディテールを追求。
  • バランス派stable-diffusion-3-medium が初心者にも扱いやすい。
  • 超高画質google/sdxl でより大判・高品質出力。

いずれも Hugging Face Spaces 上で無料で試せますので、ブラウザからアクセスしてプロンプトを入力するだけで簡単に画像生成ができます。気になるスペースをぜひチェックしてみてください!

Playground v2

柔らかくて優しいタッチのイラストが得意。アートっぽい画像や、ファンタジー風の世界観にぴったり。

PhotoMaker – AI Portrait Generator

人物の写真をアップロードして、さまざまな衣装やシーンで「変身」させるモデル。SNSのプロフィール画像に最適です。

SDXL Turbo

高精度かつ超高速な画像生成。わずか数秒で出力されるので、待ち時間がストレスになりません。

Prompt Generator

プロンプトの書き方に迷ったらここ!「どう書けばいい画像になる?」のヒントをくれる、お助けツールです。

写真をアニメ風に変換してくれるSpaces

写真(実写画像)をアニメ風に変換できる代表的な Hugging Face Spaces です。ブラウザ上でファイルをアップロードするだけで、手軽にアニメ調イラストに変換できます。

  1. akhaliq/AnimeGANv2
    • 概要:顔写真や風景写真をアニメ調に変換する GAN ベースのモデル
    • 特徴:バージョン1・2が選択可能で、強さやスタイルの違いを試せる
    • リンク:akhaliq/AnimeGANv2 ハギングフェイス
  2. PanigrahiNirma/Photo-to-anime
    • 概要:シンプルな UI で写真をアニメ調に変換
    • 特徴:変換強度やプロンプトによるカスタマイズが可能
    • リンク:PanigrahiNirma/Photo-to-anime ハギングフェイス
  3. billyae/anime-style-transfer
    • 概要:人の写真をアップロードすると、即座にアニメスタイルへ
    • 特徴:Gradio UI 上で「Generate」をクリックするだけの簡単操作
    • リンク:billyae/anime-style-transfer ハギングフェイス
  4. ThankGod/anime-gan
    • 概要:ポートレート写真や全身写真をかわいいアニメキャラ風に変換
    • 特徴:明るくクリアな画像ほど変換結果がキレイに出やすい
    • リンク:ThankGod/anime-gan ハギングフェイス

使い方のポイント

  • 画像解像度:入力サイズが大きすぎると処理に時間がかかる場合があるので、あらかじめ Photoshop 等で 512×512~768×768px 程度にリサイズしておくと快適です。
  • 有効化:Spaces は非アクティブ時に「Sleeping」状態になることがあります。動作が遅い・起動に時間がかかる場合は、リロードをお試しください。
  • カスタマイズ:モデルによっては「スタイルの強度(strength)」や「細かい調整パラメータ」が用意されているので、少しずつ数値を変えて好みのタッチを探してみると◎。

これらのスペースを使えば、特別なローカル環境を構築せずとも、ブラウザだけで手軽に写真→アニメ絵の変換を楽しめます。

ControlNet – Pose

人物のポーズを指定して画像を作れるちょっと高度なモデル。使い方はやや上級者向けだけど、面白さは抜群です!

CLICK! Hugging Face Spaces 上で「Pose(人体ポーズ)」を条件に画像生成を行う代表的なアプリケーションのリスト

ブラウザでアップロードしたポーズ画像(OpenPose など)をそのまま生成の制御入力として利用できます。

  1. diffusers/controlnet-openpose
    • 概要:Stable Diffusion v1-5 に対し、OpenPose で抽出した骨格画像を条件付けして生成。
    • ステータス:公開中(ただしビルドエラー時あり)
    • 特徴:Gradio UI 上でポーズ画像をアップロード → プロンプト入力 → 生成、というシンプルな流れです。 ハギングフェイス
  2. briaai/BRIA-2.3-ControlNet-Pose
    • 概要:BRIA 2.3 テキスト→画像モデルをバックエンドに利用し、OpenPose(含:手・顔検出)で得たポーズを制御入力として組み合わせるデモ。
    • ステータス:公開中
    • 特徴:手足や顔パーツを個別に含めたポーズ抽出が可能で、ディテールの高いイラスト生成が得意です。 ハギングフェイス
  3. asahi417/controlnet-stable-diffusion-3-pose
    • 概要:Stable Diffusion 3 シリーズ向けに最適化された Pose 制御版。
    • ステータス:作者によって一時停止中(再開待ち)
    • 特徴:Pose 画像とテキストによるハイブリッド制御で、SD3 の新しい画質表現を利用できます。 ハギングフェイス
  4. haowu11/Kolors-Controlnet-Pose-Tryon
    • 概要:人物写真+服装イラスト+ポーズ画像を入力し、試着モデル(Try-on)風の合成を行うアプリ。
    • ステータス:公開中
    • 特徴:ファッション分野での応用に特化。服のデザインを別レイヤーとして扱い、ポーズに合わせた合成結果を得られます。 ハギングフェイス

使い分けのポイント

  • シンプルにポーズ制御を試したいdiffusers/controlnet-openpose
  • 高品質テキスト+ポーズ生成briaai/BRIA-2.3-ControlNet-Pose
  • 最新のSD3モデルで試したいasahi417/controlnet-stable-diffusion-3-pose(再開待ち)
  • ファッション分野で使うhaowu11/Kolors-Controlnet-Pose-Tryon

いずれもブラウザから直接利用できるので、まずはそれぞれのスペースにアクセスして、お手持ちのポーズ画像で遊んでみてください!

「Prompt Generator」でプロンプト例を作り → Stable DiffusionやPlaygroundに貼り付ける、という流れも楽しいですよ!

おすすめの画像生成モデル

Hugging Faceで試せる中から、初心者にも扱いやすく、人気の高い画像生成モデル。

モデル名特徴商用利用備考
Stable Diffusion v1.5軽量&広く使われている標準モデル一部OK(要確認)多くの派生モデルのベース
SDXL 1.0高品質&商用向け学習データOKよりリアルな描写が可能
Playground v2.5鮮やかで柔らかいアート風OKイラストにも強い
Anything v5アニメ特化の派生モデル条件付き商用は慎重に確認

迷ったらまずは SDXLPlayground を試してみましょう。
どちらも比較的新しく、クリーンな商用対応が明記されています。

Hugging Face Spacesでまず試してみて下さい。

コードを一切書かずに、モデルを体験できる場所が、Hugging FaceのSpaces(スペース)です。

「もっと自由に使いたい」方へ

さらにステップアップしたいという方は、「Colabでさらに自由に」「ローカルや有料で本格利用する方法」を紹介します!

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