WebUI(AUTOMATIC1111)の【インストール方法】【拡張機能インストール】【エラー対処法】

WebUI(Webユーザーインターフェース)とは、ブラウザを通じて操作できるユーザーインターフェースのことで、特に画像生成AI(例:Stable Diffusion)を扱う際によく使われるツールです。
本記事では、AUTOMATIC1111 (オートマティックイチイチイチイチ)の WebUI版 Stable Diffusionの【インストール方法】【拡張機能インストール】【トラブル対処法】について書いています。
AUTOMATIC1111 とは?
AUTOMATIC1111(正式には「Stable Diffusion web UI」)は、Stable DiffusionをGUIベースで簡単に操作できるWebUIです。Pythonで書かれており、ローカルPCにインストールして使います。
※ GUI(Graphical User Interface)とは、マウスで操作する画面(ボタン・ウィンドウなど)を指します。対してCLI(コマンドライン・インターフェース)は、Windows Terminal、PowerShell、CMDなど、キーボードでコマンドを入力して操作するインターフェースの事を指します。
主な特徴:
- プロンプトを入力して画像を生成
- 直感的な*UIで操作が簡単 (*初めてでも迷わず使える見た目と操作感)
- txt2img、img2img、Inpainting、Upscale、ControlNet など機能が豊富
- *拡張機能(Extension)で機能追加が可能
- 複数のモデル(.ckpt / .safetensors)を切り替えて使用可能
WebUI のメリット
項目 | 内容 |
---|---|
GUI操作 | コマンド不要、初心者でも扱いやすい |
ローカル動作 | ネット接続不要、商用利用にも安心(著作権的にも安全) |
カスタマイズ性 | *拡張機能や*拡張機能や*UIテーマの変更が可能 |
速度と安定性 | ローカルGPUを使うので高速かつ自由 |
*UIテーマとは、見た目の着せ替え機能の事で、Web ベースのユーザーインターフェース(WebUI)の外観やスタイルを統一・変更できる設定やデザインのことを指します。
AUTOMATIC1111 の基本機能
機能名 | 説明 |
---|---|
txt2img | テキストから画像を生成 |
img2img | 画像をもとに新しい画像を生成(リファレンス画像からの変換) |
Inpainting | 画像の一部を塗り替え・修正 |
ControlNet | ポーズや線画などを元に制御しながら生成 |
Batch処理 | 複数画像を一括で生成 |
モデル管理 | モデルの切り替え、VAEやLoraの読み込みも簡単 |
AUTOMATIC1111 の導入方法
インストールガイド(Windows向け)
事前準備
- Windows 10/11
- NVIDIA GPU(VRAM 6GB以上推奨)
- Python 3.10.6(他のバージョンは不安定)
※手動で事前にインストールが必要ですPython 3.10.6のインストール手順はこちら - Git
※手動で事前にインストールが必要ですGitのインストール手順はこちら - Stable Diffusionモデルファイル(.ckpt または .safetensors)
Pythonと、Gitは、事前にインストールをしておきましょう。
一部の有志が作成した「一括インストーラ」や「インストール支援ツール」は、PythonやGitも同梱・導入してくれるものもありますが、公式(AUTOMATIC1111本家)ではそのようなスクリプトは提供していませんし、サポートも対象外です。
起動までの手順
フォルダを作成
任意の場所に作業用フォルダを作成(例:C:\AI\stable-diffusion-webui
)
C:\AI
Cドライブ直下に作業用フォルダを作るのは、おすすめの方法です。C:
のすぐ下に AI
フォルダを作って、その中に stable-diffusion-webui
を入れる 形
理由
パスが短い(→ Windowsの「パス制限エラー」回避)
日本語や空白を含まない(→ PythonやGitの誤動作回避)
管理がしやすい(→ 他のAIツールと分けて整理できる)
他のAI系ツールも使う予定がある場合
C:\AI\automatic1111\
C:\AI\comfyui\
C:\AI\models\
など、AIフォルダの中にまとめて分類していくと、後々すごく整理しやすくなります。
手順
- GitとPythonをインストール
- Git:デフォルト設定でOK
- Python:インストーラー実行時に「Add Python to PATH」にチェック!
- 作業用フォルダの中で、GitHubからAUTOMATIC1111をクローン(※クローンとは、Gitなどを使って、プロジェクト一式をローカルにコピーすること)
git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui.git
すると、次のように stable-diffusion-webui
フォルダが C:\AI
の中に作られる。
C:\AI\
└── stable-diffusion-webui\
├── webui-user.bat
├── launch.py
└── ...
このとき「C:\AI\stable-diffusion-webui
」が 作業用フォルダ + クローン先 になります。
このフォルダ(「クローン先(作業用フォルダ)である stable-diffusion-webui
)に移動するには
cd stable-diffusion-webui
このコマンドは、「クローンしてできたディレクトリ(=作業用フォルダ)に入る」という意味です。
モデルファイルを設置models/Stable-diffusion/
フォルダを作り、モデルファイルを配置。
例(v1.5モデル)
stable-diffusion-webui/
├── models/
│ └── Stable-diffusion/
│ └── v1-5-pruned.ckpt
「stable-diffusion-webui/models/Stable-diffusion」に .ckpt
または .safetensors
を入れる
例:v1-5-pruned-emaonly.safetensors
webui-user.bat
のカスタマイズと起動オプションの使い方
webui-user.bat
は、AUTOMATIC1111 WebUI を起動するための 設定用スクリプトです。
このファイルを編集することで、次回以降は webui-user.bat
をダブルクリックするだけで起動できます。
編集方法(基本)
stable-diffusion-webui
フォルダ内のwebui-user.bat
を右クリック- 「編集」または「メモ帳で開く」
- 以下のような内容が書かれている箇所を探す
set COMMANDLINE_ARGS=
ここに 起動オプション を追加します。
例:
set COMMANDLINE_ARGS=--xformers --autolaunch --medvram
よく使われる起動オプション、コマンド一覧はこちらをCLICK!
オプション | 説明 |
---|---|
--xformers | VRAMを節約し高速化(特にRTX系GPU向け) |
--autolaunch | 起動後に自動でブラウザを開く |
--port 1234 | ポート番号を変更(例:1234) |
--theme dark | WebUIのテーマをダークモードに |
--precision full | float32で実行(通常は自動でfloat16) |
--no-half | float16を使わない(古いGPU向け) |
--api | 外部からAPI経由で操作可能にする |
--disable-safe-unpickle | カスタムモデルの一部を読み込めるようにする(セキュリティ注意) |
例:xformers + 自動ブラウザ起動 + ポート変更
set COMMANDLINE_ARGS=--xformers --autolaunch --port 7861
このように編集すると、起動時に自動でブラウザが開き、ポート7861でWebUIが立ち上がります。
xformersオプションについて
--xformers
を使うには、xformersライブラリがインストールされている必要があります。- 自動でインストールされないこともあるので、うまく動かない場合は次のように手動で入れます
pip install -U xformers
状態 | 起動方法 |
---|---|
webui-user.bat 未設定 | コマンドラインでオプション入力 |
webui-user.bat 設定済み | ダブルクリックだけでOKwebui-user.bat をダブルクリック → 自動的に Python が起動し、ブラウザで WebUI が開く |
この設定をしておくと、何度も手打ちする必要がなくなり、初心者でも簡単に再起動できるようになるので、webui-user.bat
の設定は非常におすすめです!
起動中は黒いウィンドウ(ターミナル)を閉じないように注意!
保存して再実行するだけ
- 編集後、
webui-user.bat
を保存 - ダブルクリックで実行すれば、設定が反映されます
起動コマンド(コマンドライン)で 実行(起動)する方法
PowerShell か Windows Terminal で次のコマンドを実行
python launch.py
※初回起動時は依存ライブラリの自動インストールが走るため、数分かかる場合があります。
起動後のアクセス
起動に成功すると、以下のような表示が出ます
Running on local URL: http://127.0.0.1:7860
このURLをブラウザで開くと、WebUIが表示されます。
起動がうまくいかないとき
- Pythonのバージョンが違う →
python --version
で確認(3.10.x推奨) - Gitが未インストール → Git公式サイトからインストール
- ドライバが古い → NVIDIA公式から最新版に更新
- VRAM不足 →
--medvram
や--lowvram
オプションで起動可(例:python launch.py --medvram
)
普段のAUTOMATIC1111 WebUI の起動方法(Windowsの場合)
Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)を Windowsでインストール済みで、起動したい場合の手順は以下のようになります。
- インストールしたフォルダ(例:
stable-diffusion-webui
)を開く - 中にある
webui-user.bat
を ダブルクリック
⬇
ターミナル(Windows Terminal or PowerShell or コマンドプロンプト)が開いて、自動で以下が実行されます
- Pythonの仮想環境が有効化
- 必要な依存ライブラリが確認・インストール
launch.py
が呼び出されてWebUIが起動
- 起動完了後、以下のようなURLが表示される
Running on local URL: http://127.0.0.1:7860
このURLをブラウザで開くとWebUIにアクセスできます 。
起動オプション(任意)
webui-user.bat
の中の COMMANDLINE_ARGS=
に追加
オプション | 効果 |
---|---|
--xformers | 生成速度アップ(GPU依存) |
--medvram / --lowvram | VRAM節約 |
--port 8000 | ポート指定 |
おすすめ拡張機能(Extensions)
AUTOMATIC1111 では「Extensions」タブから簡単に追加できます。
拡張名 | 機能 |
---|---|
ControlNet | ポーズ・線画などで画像生成を制御。超定番! |
Civitai Helper | CivitaiからモデルやLoraを自動取得 |
After Detailer(ADetailer) | 顔・手などのディテールを後処理で修正 |
OpenPose Editor | ポーズをGUIで描画してControlNetに使える |
Lora Block Weight | LoRAの細かな調整が可能(重みの可視化) |
Dynamic Prompts | ランダムなプロンプト展開で画像バリエーション増加 |
拡張機能(Extensions)のインストール手順【AUTOMATIC1111】
1. AUTOMATIC1111 を起動する
まずは、webui-user.bat
をダブルクリックしてWebUIを起動します。
ブラウザで http://127.0.0.1:7860
が開かれたら準備OKです。
2. 「Extensions」タブを開く
メニュー上部にある Extensions
タブをクリックします。
→ 中に以下の3つのサブタブがあります:
- Installed(インストール済み)
- Available(GitHubからインストール可能な拡張)
- Install from URL(GitのURLから手動インストール)
3. 「Available」からの自動インストール方法(おすすめ)
手順
Available
タブをクリック- 下にある
Load from:
ボタンをクリック(リストを取得) - 少し待つと、利用可能な拡張機能一覧が表示されます
- 欲しい拡張の「Install」ボタンをクリック
- 成功すると「インストール済み」に追加されます
例:sd-webui-controlnet
、adetailer
、civitai-helper
など
4. 「Install from URL」での手動インストール方法
手順
1.Install from URL
タブをクリック
2.GitHubの拡張機能URLを入力
https://github.com/Mikubill/sd-webui-controlnet
3.「Install」ボタンを押す
4.「インストール成功」と出ればOK
5. WebUIの再起動(必須)
新しい拡張機能を反映するには、WebUIの再起動が必要です。
再起動方法(2通り)
- 画面上の
Extensions
タブ → 「Apply and restart UI」ボタンを押す - または
webui-user.bat
をいったん閉じて、再度ダブルクリックで起動
拡張機能の保存場所
拡張機能は以下に保存されます
stable-diffusion-webui/extensions/
ここにフォルダが追加されていれば、インストールは成功しています。
よく使う拡張機能のURL(Install from URL用)
拡張機能 | GitHub URL |
---|---|
ControlNet | https://github.com/Mikubill/sd-webui-controlnet |
ADetailer(顔補正) | https://github.com/Bing-su/adetailer |
Civitai Helper | https://github.com/butaixianran/Stable-Diffusion-Webui-Civitai-Helper |
OpenPose Editor | https://github.com/fkunn1326/openpose-editor |
Dynamic Prompts | https://github.com/adieyal/sd-dynamic-prompts |
インストールのコツ
- 「Available」で見つからない場合は、「Install from URL」が確実
- 拡張機能が増えすぎると起動が遅くなる場合あり → 不要なものは削除
- 失敗したときは、該当拡張のフォルダを削除して再インストール
よくあるエラーと対処法
トラブル | 原因・対処法 |
---|---|
起動しない / 黒いウィンドウですぐ閉じる | PythonやGitが未インストール、またはPATH未設定。再インストール確認。 |
“torch not installed”エラー | Pythonバージョンが合っていない or 自動インストール失敗。手動で以下を実行:pip install torch torchvision |
VRAM不足エラー | --medvram または --lowvram オプションを追加して再起動 |
ControlNetが表示されない | ControlNet拡張が入っていない。Extensionsからインストール後、再起動。 |
プロンプトが効かない/変化がない | モデルとVAEが合っていない可能性。モデルの変更やVAE確認。 |
画像が真っ黒になる | CFGスケール値が高すぎる、解像度が大きすぎるなど。プロンプトや設定を見直し。 |
WebUIの他の選択肢
名前 | 特徴 |
---|---|
ComfyUI | ノードベースで柔軟、初心者にはやや難しいが高機能 |
InvokeAI | UIがシンプルで軽量、インストールが比較的簡単 |
Fooocus | 自動化・おまかせ生成に強く、初心者向け |


こんな方におすすめ
- 画像生成AIをローカルで本格的に使いたい人
- 商用利用や独自モデル運用を考えている人
- 複雑な生成(ControlNetやLoraなど)を試したい人

