高性能クラウドGPUを使用できる”RunPod”はStable Diffusion学習の最適解!個人利用の効率よいクラウド環境

クラウドGPU RunPodの使い方

Stable Diffusionで「思う存分、画像生成がしたい」「自分の作風を学習させたい」「LoRAやDreamBoothを試してみたい」と思ったら、まず課題になるのがGPUの性能や学習環境の構築です。

そんなとき、
RunPodは…最も実用的かつコスパの良いGPUクラウドサービスのひとつです。

RunPod公式サイト

本記事では、RunPodの特徴と使い勝手についてまとめています。
実際の使用方法については、こちらの記事をご覧ください。

目次

クラウドツールのおすすめ”RunPod”

RunPodには わかりやすいGUI(グラフィカルユーザーインターフェース) が用意されており、「コマンド操作が不安…」という方でも、テンプレートを選んでいくだけでStable Diffusionの環境を立ち上げることができます。
数クリックでWebUIが開き、すぐに画像生成やモデルの学習に取りかかれる ため、DockerやPythonの知識がなくても、最小構成で使う分にはハードルが低いのが魅力です。そして何と言っても、クラウド上の高性能GPUを思う存分、試す事が出来ます。

未来

※ただし、データ保存やストレージ管理では、知識が必要となってきますので、最後まで注意事項を読んで始めて下さいね!

ポイント 1: 自由度の高さ

RunPodでは、クラウド上でありながら以下のように完全に自由な操作が可能です

  • Docker環境を自分で立ち上げて、必要なパッケージやツールをインストール可能
  • Jupyter NotebookSSH接続に対応し、ローカルと変わらない操作感で作業可能
  • Web UI (AUTOMATIC1111 など) をテンプレートから即起動でき、初期設定も簡単
  • 画像生成、プロンプト入力、LoRA/モデル読込など可能

つまり、”おまかせ型クラウド”ではなく、開発者が**ローカルPCのように自由に使えるクラウド環境”なのが最大の特長です。

注意点

  • PUBLICポートを開放した場合はセキュリティ対策が必要
  • Podの仕様により、停止や削除でデータも消える(→ 永続ボリュームで解決

このように「自由な操作」と「ユーザー責任による管理」がセットになっており、自分だけの学習環境を構築したい人に最適です。

ポイント 2: 手順が整っていれば十分に扱える

テンプレートを選ぶだけでAUTOMATIC1111が立ち上がり、以下のステップで即利用が可能です

  1. アカウント登録
  2. テンプレートからStable Diffusion UIを選択
  3. GPU (例:A10G)を選択してPod起動
  4. Web UIが開く
  5. 既存のテンプレートを使うか、自身の使いたいモデルをアップロードして画像生成や学習

ノーコードで触れるため、初心者にも優しい設計です。

RunPodでのコマンド使用頻度

そして気になる操作性についてですが、具体的な、RunPodでのコマンド使用頻度については、
実行する内容によって、かなり幅がありますので以下にまとめました。

目的別】
1⃣ 画像生成だけを目的とする場合(AUTOMATIC1111など)

  • コマンド使用頻度:ほぼゼロ〜低(初回ダウンロードと画像のアップロード/ダウンロード時)
  • 具体例
    • モデルのアップロードはWeb UIから可能(またはGUIでドラッグ&ドロップ)
    • Real-ESRGANやGFPGANもボタン操作で使用可
  • GUI中心で完結します

2⃣ LoRA学習を行う場合(Kohya trainer など)

  • コマンド使用頻度:中程度(初回設定や学習実行時)
  • 具体例
    • accelerate launch train_network.py ... のようなコマンドを打つ必要あり
    • ただし、Jupyter Notebookを使えば、コマンドをセルに書くだけなので、やや初心者向け

3⃣ rcloneなどのCLIツールを併用する場合

  • コマンド使用頻度:中〜高
  • 具体例
    • rcloneの設定、同期、アップロード/ダウンロードに rclone copysync などのコマンドを使う
    • 一度スクリプトにすれば自動化も可能

4⃣ 独自のPythonスクリプトを使う、開発系の作業

  • コマンド使用頻度:高
  • 具体例
    • python myscript.py --input image.png のような実行
    • pipでライブラリを入れるなどの作業も必要(例:pip install somepackage

ポイント 3: 「動かす」だけで学びになる

最初は「よくわからないけど、動いた!」という小さな成功体験が最高の励みになります。
そして、初めての事ばかりで、アタフタもします(笑)…なぜ画像の読み込みが遅いだろう?モデルはどこに保存されてるの?
Pod終了したら画像消えたんだけど!?

といった疑問や問題が自然と湧いてきます。これらを調べて解決する過程がそのまま学習体験になり、知らぬ間にRunPodを使いこなせるようになる感じです。というわけで、一度は体験していただきたいRunPodなのですが、私自身は初め、おっかなびっくりでしたので、分かったことをまとめておきたいと思い、この記事を書きました。

RunPodはこんな人におすすめ

※終始、画像生成のみに絞って話を進めていますが、このRunPodというGPUサービスは、画像生成以外にもGPUを使用するすべてのタスクで使用出来ます。

  • 自分だけのオリジナル作風をAIに学習させたい人
     ローカルPCのスペックに不安があっても大丈夫。RunPodならクラウド上の高性能GPUを使って、短時間で効率よく学習できます。
  • Stable Diffusionをとにかく早く触ってみたい人
     テンプレートから「AUTOMATIC1111」などを選べば、数クリックでWebUIが立ち上がります。セットアップに時間をかけず、すぐに画像生成を始められます。
  • ローカル環境の準備が難しそうに感じている人
     PythonやCUDA、ドライバのインストールなどに悩まされることなく、クラウド上であらかじめ用意された環境をそのまま使えるので安心です。
こんな人にぴった理由
オリジナル学習モデルを作りたいローカルGPUが非力でも可能
早くStable Diffusionを触りたいWebUIが入っているのですぐ使える
ローカルの環境構築が難しそうドライバ・Pythonの誤起動を回避できる

気をつけること(本当に重要)
最初は 1~2ドルの学習費用を使うつもりで始めると安心
起動中は料金が発生(使ってない時もPodが動いてるとお金がかかる)
モデルや画像の保存は明示的にしないと消える

RunPodの優れた点

項目内容
コストA10G (24GB VRAM)で $0.6/hと安価
カスタマイズDockerで自由度高く環境構築可
WebUIAUTOMATIC1111などのテンプレートが便利
永続ボリュームPod停止後もデータ保存可
クラウドなのにローカル感覚SSH, Jupyter, WebUIが使える

永続ボリュームとは?
RunPodのPodは、普通は停止と同時にデータも消えますが、永続ボリュームを使うと「停止しても残る」ストレージとなります。
※「每回メモ帳を書いて帰りに捨てる」のが一時Podで、
「ロッカーにデータを置いておける」のが永続Podというイメージです。

永続ボリュームを使うには…Pod作成時に「Nerwork Volume」にチェックを入れ、サイズを選択 (20GB~)します。

容量月額の相場
20GB$1.00〜$2.00
50GB$3.00〜$4.00
100GB$5.00〜$6.00

通常のRunPod(永続ボリュームなし)の場合

  • Podを停止・削除すると、
    学習したモデルやアップロードしたデータもすべて削除される(=一時的な保存)

永続ボリューム付きのRunPodテンプレートを使った場合

  • Podを停止しても、再起動すれば
    前の状態(学習済みモデル、画像など)が残っている!

ダウンロードのコツ

安心な利用には、学習終了直後にローカルへダウンロード!
その為、FileBrowser/SFTP/Google Drive連携などが便利です。

方法解説
ブラウザWeb UIのFile機能からだけで可
SFTPWinSCP, FileZillaなどで高速転送
Google Drivercloneなどで連携/保管

RunPodでは「元画像のアップロード」や「生成画像のダウンロード」に時間がかかることがあります。これは主に以下の理由によります

原因詳細
インターネット速度ご自身の回線速度が遅いと、数十MB〜数百MBの画像やモデルファイルの送受信に時間がかかる
ファイルサイズが大きい高解像度画像や学習済モデル(数GB)など、1つのファイルサイズが大きい場合は特にアップ/ダウン時間が長くなる
クラウドとのやり取りRunPodはクラウド上のマシンなので、常に「ローカル ↔ クラウド」間の通信が発生する
複数ファイルまとめて操作フォルダごとアップロードする場合、処理に時間がかかる・失敗することもある

実際に時間がかかりやすい操作の例

操作備考
元絵(学習用画像)を100枚以上アップロードzip化してまとめて送ると早くなることも
生成画像を1枚ずつ保存一括ダウンロードができるUIだと楽になる(例:AUTOMATIC1111)
学習済モデル(.safetensorsなど)のダウンロード1GB〜7GBになることがある

時間短縮のための対策

方法効果
zipファイルでまとめて送る複数画像のアップロードが安定&高速に
Google Drive連携を使うRunPodとDriveをマウントして高速転送可能(詳しくはこちら
必要なファイルだけに絞る無駄なアップロード・ダウンロードを避けて時短
生成画像は一括DLするAUTOMATIC1111で outputs フォルダごとDL 可能

少量のアップ/ダウンロードなら特に問題ありませんが、作業量が多いと時間がかかる為、工夫して快適に使いましょう!

クラウドのリスク

リスク要素内容
Pod停止によるデータ消失RunPodなどはPodを停止するとローカルストレージが消去される仕様(保存し忘れが致命的に)
うっかり料金加算Podを停止し忘れたり、無駄にGPU時間を使うと高額請求になることも
セキュリティパブリックな場所でモデルやデータを扱う以上、アップロードデータの管理には注意が必要
通信依存モデルアップロードやDLに時間がかかる、ネット障害時に作業不可など

RunPodで学習したモデルは学習後にダウンロードし手元(ローカル環境)に保存しておくことが強く推奨されます。

ダウンロード方法の概要

RunPodで学習が終わったモデルファイル(例:*.safetensors, *.pt, *.ckptなど)を…

▶ 方法1:ブラウザ経由で直接ダウンロード

WebUIやFileBrowserを使えば、GUIでローカルに保存できます。

例(AUTOMATIC1111テンプレ)

  1. Web UIの「Files」→モデル保存先(例:/stable-diffusion-webui/models/Lora/)を開く
  2. 欲しいファイルをクリック
  3. 「Download」ボタンで保存

▶ 方法2:SFTPソフトでダウンロード(高速・大量向け)

例えば以下のようなツールを使うと便利です

ツール用途
WinSCPWindowsのGUI SFTPクライアント
FileZilla複数ファイルの転送にも強い
scp / rsyncターミナルで使える高速転送コマンド

※RunPodテンプレによっては、SFTPの接続情報(IP/ユーザー名/パスワード)が提供されます。

▶ 方法3:Google DriveやDropboxを介して保存

Pythonコードなどでgdownrcloneを使えば、クラウドストレージ経由でも保存できます。

rcloneの使用方法はこちらの記事をご覧ください。

ダウンロード後の活用

  • ローカルのAUTOMATIC1111に読み込ませて使う(フォルダに置くだけ)
  • 他のクラウドやPCに移動して使い回す
  • バックアップ用に保存しておく

🆚 他の代表的なクラウドと比較

サービス名特徴学習向き?料金感
RunPod学習向けに特化したインフラ、自由度高い安め(A10G=$0.6/h)
Kaggle無料、制限あり、実験向き△(重い学習はNG)無料(GPU時間制限あり)
Google Colab入門用に人気、Proなら学習可◯(Pro+ならLoRAも)Pro+: $49/月
AWS/GCP/Azure法人向け、大規模運用向き◯〜◎高額になりがち
Vast.aiコスト重視、使い方にクセあり◎(設定は中級者向け)安い(A100あり)
PaperspaceWebUI系もあるが制限多め中程度

RunPodを使う際の注意点まとめ

RunPodは非常に柔軟でコスパも良いクラウドサービスですが、**「使い方を間違えるとデータが消える」「無駄に課金される」**といった落とし穴もあります。以下の点に気をつけて利用することで、安心してStable Diffusionの学習や画像生成に取り組むことができます。

特に注意すべきポイント

  • Podの停止=一時ストレージは全消去
     → 永続ボリュームを設定していないと、保存し忘れたファイルは消えてしまいます。
  • Podが起動中は料金が発生し続ける
     → 作業が終わったら「必ず停止」するクセをつけましょう。
  • データは自分で守る必要がある
     → 自動バックアップはありません。大切なモデルや画像はローカルへダウンロードするか、Google Driveなどにコピーを。
  • 英語ベースの画面や用語が多い
     → 多少の英語やIT用語に慣れておくとスムーズです(Pod、Volume、Docker など)。

トラブルを防ぐコツ

  • 最初は1〜2ドルの実験予算で試すと安心
  • 永続ボリューム(Persistent Volume)を使えば、作業の継続や保存がラクに
  • ファイル転送はzip化やGoogle Drive連携を活用して効率的に
  • 複数のモデルやデータを扱う場合は、整理とバックアップを習慣にしましょう

RunPodを使う前に設定しておくと安心な項目(チェックリスト)

  1. 永続ボリューム(Persistent Volume)を設定する
      →
    Pod作成時に「Use Persistent Volume」にチェックを入れる
       /workspace/ に保存すれば再起動後もデータが保持される
       料金は月額$1〜数ドル程度(20GB〜)
  2. GPUのスペックと料金を確認する
      →
    例:A10G(24GB VRAM)は画像生成・LoRA学習に最適
       時間単価($0.6/h前後)を目安に予算を立てる
  3. 必要なストレージ容量を見積もる
      →
    学習用画像・出力画像・モデル類の合計サイズを想定
       圧縮や不要データの整理も計画しておくと安心
  4. 起動するテンプレートを選ぶ
      →
    AUTOMATIC1111 WebUIなどのテンプレートで手間なく環境構築
       LoRA・DreamBooth環境が初期から使える
       高度なカスタマイズが必要なら「Custom Template」を選択
  5. Google Driveなどの外部連携を準備しておく(任意)
      →
    gdownrclone を使ってデータ連携をスムーズに
       毎回の手動アップロード作業を省略できる
  6. 初期費用をざっくり把握しておく
      →
    画像生成+LoRAテストなら1〜2ドル程度で試せる
       放置すると課金が続くため、「使い終わったらPod停止」を習慣に
  7. SSH/SFTPの接続情報を控えておく(必要に応じて)
      →
    FileZilla・WinSCPなどでファイルを直接やり取り可能
       GUI以外の操作をする際にも便利
RunpodのGPU価格表

以下の公式ページ内でGPUの種類、料金の支払いの仕組みなどについて詳しく書かれています。
https://docs.runpod.io/serverless/pricing

RunPodで表示される価格について

価格表示の見方と料金提示額の見方

表記意味解説
「$0.69/時間~」最安値の目安「空きがある場合」「入札制スポットインスタンス」の場合の最低価格(変動)
「$0.89/時間」現在すぐに使える価格「オンデマンドインスタンス」や「優先される固定価格(高いが確実に使える)」

選択時の違いの例(RTX 5090)0.69ドル/時間: スポットインスタンス(空いていれば安く使えるが、強制終了の可能性あり)0.89ドル/時間: オンデマンド(即時起動&安定動作。割高だけど強制停止が無い)


VRAMによる価格変動

RunPodのGPU価格は VRAM容量だけでなく、そのGPUの需要・提供状況・提供者設定 によって決まります。

RTX 5090は32GB VRAMのハイエンドGPUなので、他のGPU(例:A10Gや3090)より高めですが、VRAMを選ぶ設定で価格が大きく変わることはありません。むしろ「どのマシン(Pod)を使うか=どのプロバイダーか」により変動します。


  • 「$0.89/時間」はRTX 5090オンデマンドで今すぐ確実に使える価格
  • 「$0.69/時間~」は空いているときに使える最安スポット価格
  • 価格はVRAM選択ではなく、インスタンスの提供者と方式(オンデマンド or スポット)で決まる

「アクティブワーカー(Dedicated Worker)」と「フレックスワーカー(Community / Spot Worker)」の違い

「アクティブワーカー(Dedicated)」の特徴

項目内容
料金単価は割安(フレックスより20~30%安い)
課金タイミング常に課金される(使っていなくても)
リソース確保GPUを専有。常に起動状態で保持される
安定性確実にGPUが割り当てられており、途切れずに使える
使わなくても課金Podがアイドル状態でも料金が発生し続けます

「フレックスワーカー(Community / Spot)」の特徴

項目内容
料金単価は少し高め(でも従量制)
課金タイミング使った時間だけ課金される
リソース確保状況によってGPUが停止することもあり
安定性他ユーザーの使用状況次第でセッション切れもあり得る
アイドル中は課金なしPodを停止していれば課金されない

実例(A10Gの場合)

プラン単価使ってないとき備考
アクティブ$0.69/時(例)課金あり常時GPU確保
フレックス$0.89/時(例)課金なし(停止中)利用分だけ

どちらもRunPodのダッシュボードから簡単に切り替えられます。

RunPodの詳しい使い方の解説はこちらの記事をご覧ください。

公式ホームページはこちら

RunPod公式サイト

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