どっちが良い? RunPod と RunDiffusion の使い分けガイド

RunDiffusion vs Runpod

AI画像生成、どのクラウドを選ぶ?

クラウドでのAI画像生成は、もはや当たり前の時代。特にStable Diffusionの普及により、クリエイターや研究者は手軽に画像を生成するだけでなく、自分専用のクラウドGPU環境で本格的な制作や学習も可能になっています。

本記事では、私が普段から使用する「RunPod」と、初心者でも手軽に始められると人気の「RunDiffusion」を実際に使い比べ、
起動速度や自由度、保存性、コスト、カスタマイズ性など、複数の観点から比較しました。

制作スタイルに最適なクラウドGPUを見つけるためのガイドとしてまとめています。

目次

RunDiffusionとは?(手軽なオールインワン)

RunDiffusionは以前、RunPod上でStable Diffusion環境を提供する人気テンプレートのひとつでしたが、
現在は、今回ご紹介する独自クラウド環境に移行しました。

未来

RUNNIT / RunDiffusionからも簡単に使えます

RunDiffusion
  • 登録後すぐStable Diffusionなどを起動可能(14のツールを選択可能)
  • モデルもUIも初期設定済み
  • 「クレジット(Balance)」制の時間課金
  • UIが洗練されていて初心者に優しい
    向いている人:WebUIを使った画像生成を手軽に体験したい人

RunPodとは?(本格的クラウドGPU)

ワンクリックで生成が出来るPublicEndpointもある
ワンクリック生成が出来るPublicEndpointというスペースもある。
RunpodのUI画面
GPUの種類を選んで起動する
  • 自分専用のGPU環境を構築可能(GPUを選択して使用)
  • Kohya_ss / ComfyUI / Jupyter など自由にセットアップ
  • SSHやFileUploaderなど開発者機能が豊富
  • 低コスト(時間課金+Suspend機能)
    向いている人:LoRA学習、ComfyUI構築、長期制作をしたい人

スペック比較

サービス起動速度保存期限カスタマイズ性学習対応UIテーマ備考
RunDiffusion◎ 約30秒~✕ 72時間△ 制限ありダーク固定手軽に生成
RunPod△ 数分◎ 永続可◎ 高い◎ Kohya等可能自由設定本格運用向け

最近のRunPod信頼低下の背景(現状分析)

RunPodは本格派向けクラウドGPUとして非常に自由度が高く、LoRA学習やComfyUI構築など本格制作に向いていますが、
近年いくつかの課題が指摘されており、初心者や慣れていないユーザーにとってはハードルが高いのも事実です。

しかし、以下のいくつかのポイントを押さえておくと、快適に使用する事が出来ます。
これらを、知っているかどうかで、使用感が大きく変わってしまいますので、以下にまとめました。

問題点内容補足・対策
テンプレートの放置Camenduru氏などコミュニティ作成テンプレは半年以上更新が止まっているものが多く、Python依存やdiffusersバージョンの衝突が頻発。最新の公式テンプレや自作テンプレを使うと安定する。古いテンプレは慎重に。
公式テンプレの不整合“Official”と表示されていても、環境や依存関係で動作しない例あり。初心者が混乱しやすい。起動前に依存ライブラリやPythonバージョンを確認することが重要。
UI起動トラブルlaunch.py や webui-user.sh が環境依存で止まることがある(特にForge/SDXL対応テンプレ)。Dockerや仮想環境を使うと再現性が高くなる。
サポートがユーザー任せフォーラムは英語中心で、トラブル解決まで時間がかかることがある。Discordやコミュニティチャンネルで質問すると比較的早く回答が得られる。
Dockerイメージの不統一同じ「Automatic1111」でもDocker構成が違い、環境の完全再現が難しい。同一構成のDockerイメージを自分で作成するか、公式の更新情報を確認する。

RunPodは自由度と拡張性が非常に高い一方、テンプレートの更新遅延や依存関係の不整合などがあるので、
テンプレート使用時はテンプレートの選定がカギとなる。初めのうちは安定した公式テンプレートやサポートチャンネルを活用するのがおすすめ。

体感比較(RunDiffusion vs RunPod)

RunDiffusion

Rundiffusion テンプレートで使える主要ツール一覧(2025年時点)

RunDiffusionには14個のテンプレートがある。

分類ツール名主な用途備考
生成系UIAUTOMATIC1111 WebUIStable Diffusionの代表的WebUI。LoRA・ControlNet対応。Stable Diffusion 1.5 / SDXL対応
生成系UIComfyUIノードベースのSDワークフロー構築ツール。SD1.5 / SDXL両対応。細かい制御が可能
学習系Kohya_ss GUILoRA・Dreamboothなど学習GUI。画像学習モデル作成に最適
顔合成系FaceFusion顔の置き換えや動画フェイススワップ。DeepFake的用途だが安全機能あり
簡易生成FooocusSDXLベースの自動生成ツール。UIが非常にシンプル。LoRA不要の高品質生成可
モデル変換Flamepackモデル・LoRAを簡単にまとめてパック化。モデル整理や共有に便利
モデル学習/変換ReforgeLoRAやモデルの再学習・微調整ツール。Kohyaより簡易な学習も可能
音声処理AudioLabAI音声生成・変換(Text-to-Speech, Voice Changer等)ElevenLabs風ツール
統合UIOpenWebUISD/Comfy/Fooocusなど複数ツールを統合するUI。マルチモデル制御用フロント
モデル基盤Stable Diffusion(SD)画像生成モデル本体(1.5, XLなど)。Fooocus, A1111, Comfyがこれを使用
次世代UINext(SD.Next)AUTOMATIC1111の後継。より軽量で高速。WebUI互換性あり
統合UISwarmUI通常の画像生成+拡張機能利用、UI 重視のワークフロー既存の生成UIをまとめて快適に使用
統合UIOmost複雑構図、レイヤー制御、部分操作や構成的アプローチを取り込み可。LLM と生成制御を理解する必要があり

長所

  • 起動が圧倒的に早い(30秒〜1分)
  • UIが直感的、Stable Diffusionに特化していて迷わない
  • モデル選択もポチッとするだけ
  • 短時間で「1枚出したい」時に最強

短所

  • 保存期限(72時間)あり:生成した画像を忘れると消える
  • カスタムモデル・LoRAの自由度が低い
  • バランス制(クレジット制)なので、長期運用は割高
  • ダークUI固定(明るいUI好きには少しストレス)
  • 「ローカルの代替」にはならない(あくまで“体験特化”)

RunDiffusionのコスト

  • GPUレンタル込みで月額制(もしくは時間課金)
  • UIやバックエンドを自社管理(安定だがコスト高)
  • 1時間あたりの単価はRunPodの倍近くになることも

その代わり、

  • セットアップ不要(完全ノーコード)
  • バージョン統一・自動更新
    という強みがあります。

RunPod

Kohya_ss絞り込み

RunPodで使用できるツールの大分類(2025年版)

Runpodには多くのテンプレートがありますので、使用できるツールの分類でまとめました。

大分類主なツール・モデル概要
画像生成・編集系Stable Diffusion(A1111, ComfyUI, Fooocus, SwarmUI, Omost, SD.Next など)画像生成・修正・スタイル変換を行うRunDiffusion系テンプレート群。
AI学習・モデル構築系Kohya_ss / Reforge / Dreambooth / Flamepack / JupyterLabLoRAやカスタムモデルを学習・再構築するためのツール。
音声・動画・認識系Whisper / AudioLab / FaceFusion / RVC(VoiceChanger)など音声認識・変換・動画合成・フェイススワップなど、マルチモーダル系ツール。
統合・操作UI系OpenWebUI / SwarmUI / Omost画像生成・学習・補助ツールを一括管理・制御するインターフェース。
開発・推論環境系JupyterLab / Code Server / API / Serverless PodsAIアプリ開発・モデル推論用。OpenAI APIやLlamaなどもここに含まれる。

長所

  • 完全に自分専用の環境を構築できる(Jupyter Lab・Kohya・ComfyUIなど)
  • 永続保存(Persistent Volume)を使えば、データ維持可能
  • LoRA学習・自作テンプレート・コマンド実行など何でもできる
  • クラウドGPUとしてコスパも良い(Suspendで節約)

短所

  • 初期設定に少し手間がかかる(テンプレが多すぎて選定が必要)
  • GPU選択やボリューム設定を理解する必要あり
  • 起動に時間がかかる(数分)

Runpodコスト

レンタルするGPUの価格によって、変動。

RunPodの料金は、ネットワークストレージのメモリ容量+(選ぶGPU×使用した時間)で決まります。
※ネットワークストレージは、1GBあたり0.07ドル~/月です。

GPU料金

実際に両方を使用しての私の感想

RunDiffusionの撤退以降、RunPod上ではテンプレートの更新頻度が低下したものもあり、動作が不安定なケースも見られますが、
RunDiffusionの穴を、他のテンプレート開発者が埋め始めている段階です。

現在、「Fooocus」「ComfyUI」「Kohya_ss」などは
RunDiffusionテンプレートよりも新しく・軽量な構成で提供されていて、ユーザーが徐々にそちらへ移行しています。

RunDiffusionは便利で、Kohya_ssやLoRAの追加も対応しているので、初心者〜中級者でも「手軽に生成→学習→LoRA適用」まで試せるのが魅力的です。
自由度はRunPodが上ですが、手軽さや即起動の快適さはRunDiffusionが優勢なので、どちらも強みがありますね。

両者の差は 「構築の自由度」と「長期運用の持続性」 がメインです。

  • RunPod → 自由度MAX・永続保存OK・少し設定が面倒・テンプレートに当たりハズレがあり
  • RunDiffusion → 即起動・UI手軽・保存制限あり
項目RunPodRunDiffusion
向いている人本気制作・研究者手軽に試したい初心者
初期設定テンプレで高速構築可能ほぼ不要(即利用)
自由度高い低め
モデル追加自由(LoRA可)一部制限あり
保存 / 永続化Persistent volumeで自由に管理制限あり(外部保存推奨)
コスト感時間課金+Suspendで低コスト運用Balance制でわかりやすい
商用利用可(モデル別確認)可(モデルによる)
おすすめRunPodを試すRunDiffusionへ

実際のRunPodは中身がシンプルで使いやすい

  • File Managerでアップロードが簡単
  • JupyterLabやVSCode Remote対応
  • コンテナ構造が明確で、Colabより安定
  • workspace が永続化されるので再起動してもOK

一度仕組みを理解すれば、最も扱いやすいGPUクラウドと言えます。

結論

「作り込む人」はRunPod、
「試したい人」はRunDiffusion。

どちらも共存できる時代。
自分が「どんな距離で創作したいか」で選ぶのがいいかなと思います。

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