pipでPythonライブラリをインストールする方法と”よくあるエラーとその対処法”【初心者向け】

PythonでAIツール(Whisperなど)を使うには、外部ライブラリ(パッケージ)のインストールが必要です。
そのとき活躍するのが、Python標準のパッケージ管理ツール「pip(ピップ)」です。
この記事では、pipの基本的な使い方を解説しています。
目次
pipとは?正式名称pip Installs Packages
pip は Python で最も基本的なパッケージ管理ツールのひとつで、Python のライブラリやモジュールを簡単にインストール・アップグレード・アンインストールできる仕組みです。
新しいライブラリを追加したいときや、プロジェクトの依存関係を管理したいときに使用します
- Pythonに標準で付属しているパッケージ管理ツール
pip install ライブラリ名で簡単に追加機能を導入できる- WhisperやNumPy、Pandas、OpenCVなどもpipでインストール可能!
pipのインストール確認
まずは、pipが使える状態かどうか確認します。
ターミナル(またはコマンドプロンプト)で以下を入力してみて下さい。(ターミナル(またはコマンドプロンプト)の開き方はこちら)
※ Windows のターミナルの起動方法…
Windows Terminal起動方法
- スタートメニューで、左クリック➡
ターミナルもしくは、「Windows Terminal」と検索して起動
※ デフォルトでは PowerShell または WindowsPowerShell)が開きます
画像生成用途の場合は、コマンドプロンプト(CMD)と相性が良いです。
pip install や conda などのモダン開発向けコマンドは、PowerShellと相性が良いです。
(※コマンドプロンプト(cmd)をWindows Terminal から開く為の設定方法はこちらの記事をご覧ください。)
Windows Terminalは、タブを切り替えて複数のシェルを使う事が出来ます
- 上部の
+ボタンから新しいタブを開けます
※Microsoft 公式も「Windows Terminal」を推奨
※ Mac のターミナルの起動方法…
ターミナル起動方法
- **「Command ⌘ + Space」を押して、「Spotlight検索」**を開く
- 検索バーに「ターミナル」と入力してEnter
または、以下の手順でも開けます:
アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル
※ Linux のターミナルの起動方法…
Linuxターミナル起動方法
- 1,:
Ctrl + Alt + Tを同時に押す(多くのLinuxディストリビューションで共通) - 2,:アプリケーション一覧から「ターミナル」または「Terminal」で検索して開く
Ubuntu、Fedora、Debianなど、ほとんどのLinux環境に標準で搭載されています。
※ PowerShell の起動方法…(Windows)
PowerShell(パワーシェル)**は、Windowsに標準搭載されている、より高度な操作ができるコマンドラインツールです。見た目はコマンドプロンプトと似ていますが、より多機能で、プログラミング的な処理も得意です。
PowerShell起動方法
1,スタートメニューで「PowerShell」と検索してクリック
※ コマンドプロンプト(cmd)の起動方法…(Windows)
Windowsキー + Rを押す
「cmd」と入力してEnterを押す
または、スタートメニューで「コマンドプロンプト」と検索してもOK!
コマンドプロンプト(cmd)は、Windowsのターミナルからも開く事が出来ます
(※コマンドプロンプト(cmd)をWindows Terminal から開く為の設定方法はこちらの記事をご覧ください。)

pip --version又は、
python -m pip --version-m は 「モジュールをスクリプトとして実行する」 ためのオプションです。python -m pipと書くと、Pythonに対して、「pip という名前のモジュールを探して、それをスクリプトとして実行してね」という意味になります。
pip3 --versionpip3 --version は、Python 3 用の pip のバージョンを確認するコマンドです。--version は、そのバージョン情報を表示します。
正常な例:
pip 23.0.1 from /usr/lib/python3/dist-packages/pip (python 3.11)pip 23.2.1 from C:\Users\yourname\AppData\Local\Programs\Python\Python311\Lib\site-packages\pip (python 3.11)どんな形式でも、バージョン情報が表示されればOKです。
エラーになる場合
- 「pip は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません」
- 「’pip’ は認識されませんでした」
このような場合は、pipがインストールされていない、または環境変数が通っていない可能性があります。
pipが使えないときの対処法
① Pythonが入っていない
まずは、PythonがPCに入っているか確認しましょう
python --versionもし Python 自体が入っていなければ、公式サイト から最新版(3.8以上)をダウンロード&インストールしてください。
画像生成などの用途の場合はこちらのPython3.10.6
SAKASA AI

Python 3.10.6 の”インストール手順”と”トラブル時の対処法” | SAKASA AI AI 系ツールとPython 3.10.6 AUTOMATIC1111 のような AI 系ツールは、Pythonのバージョン依存が強いため、Python 3.11 や 3.12 では、エラー・動作不良・xformers非対応の…
それ以外の用途の場合はこちらの記事をご覧下さい。
あわせて読みたい

Python(3.8以上)のインストール方法 Pythonとは? WhisperなどのAIツールを動かすためには、Python(パイソン)というプログラミング言語が必要です。ここでは、Python 3.8以上をWindows・Mac・Linuxにイン…
☑ インストール時、「Add Python to PATH」に必ずチェックを入れましょう!
② pipだけが使えない場合
python -m ensurepip で、pipを再インストールできる場合があります
python -m ensurepip --upgrade| 状況 | 対応 |
|---|---|
| pipが使える | そのまま Whisper をインストールしてOK |
| pipが使えない | Python未インストール or PATHの設定が必要 |
pythonも使えない | まず Python をインストールしましょう |
ライブラリのインストール方法
基本の構文はこちら
pip install ライブラリ名例Whisperのインストール
pip install git+https://github.com/openai/whisper.git例NumPyのインストール
pip install numpyよく使うオプション
| コマンド | 内容 |
|---|---|
--upgrade | すでに入っているライブラリを最新版に更新 |
-r requirements.txt | 必要なライブラリを一括でインストール |
--user | ユーザー環境(権限不要)にインストール |
例すでに入っているものを最新版に
pip install --upgrade numpyインストールされたライブラリの確認
インストールされているライブラリ一覧を見るには
pip list特定のライブラリだけ確認するには
pip show ライブラリ名例
pip show numpyライブラリのアンインストール
不要になったライブラリは以下で削除できます
pip uninstall ライブラリ名| 作業 | コマンド例 |
|---|---|
| ライブラリを入れる | pip install ライブラリ名 |
| 一括で入れる | pip install -r requirements.txt |
| 確認する | pip list / pip show ライブラリ名 |
| 消す | pip uninstall ライブラリ名 |
注意点:仮想環境(venv)で管理しよう
Python のバージョンに合わないライブラリをインストールすると動かないことがあります。
複数のプロジェクトでライブラリのバージョンがぶつからないように、基本は仮想環境 (venv や conda) で使うのが安全
▶venvの使い方はこちらの記事で解説しています。
あわせて読みたい

【venv(仮想環境)と Dockerで迷ったら読む記事】”違い””使い方”からvenvやDockerの”代替ツール”まで venv(仮想環境)と Docker venv(Python仮想環境) venv(ブイ・イー・エヌ・ブイ)は、Pythonで開発を行う際に「仮想環境」を作るための標準ツールです。仮想環境とは…
⚠ pipでよくあるエラーとその対処法【初心者向け完全ガイド】
Pythonのライブラリをインストールするときに使う pip。
とても便利ですが、環境によってはエラーが出ることも多く、初めての方がつまずきやすいポイントです。
ここでは、pipでよくあるエラーとその対処法をわかりやすく紹介します。
エラー1:pip: command not found
原因:Pythonやpipがインストールされていない、またはPATHが通っていない。
解決方法
macOS/Linux
python3 -m ensurepipWindowsなら、pythonが使える状態であれば以下でもOK
python -m pip install パッケージ名エラー2:Permission denied(権限エラー)
原因:グローバル環境にインストールしようとして権限がない場合。
解決方法
--user オプションをつけて、ユーザー領域にインストール
pip install ライブラリ名 --userLinux/macOS で権限を付けて実行(非推奨だが一時的には有効)
sudo pip install ライブラリ名エラー3:Could not find a version that satisfies the requirement ...
原因:指定したライブラリのバージョンが存在しない、Pythonのバージョンが合っていない。
解決方法
ライブラリ名が正しいか確認(例:torchvision → torch)
Pythonのバージョン確認
python --version別のバージョンを指定してインストールしてみる
pip install パッケージ名==1.0.0エラー4:SSL: CERTIFICATE_VERIFY_FAILED
原因:SSL証明書エラー(古いOSやPythonの環境でよく起きる)。
解決方法
macOS の場合、Python公式版でこの問題が出ることがあり、以下のコマンドで証明書をインストール
/Applications/Python\ 3.x/Install\ Certificates.commandまたは --trusted-host オプションを使う(セキュリティ的には注意)
pip install パッケージ名 --trusted-host pypi.org --trusted-host files.pythonhosted.orgエラー5pip is configured with locations that require TLS/SSL, however the ssl module in Python is not available
原因:PythonがSSLをサポートしていない環境でビルドされている。
解決方法
- 正規のPythonを再インストール(特にLinuxで手動ビルドした場合に起こる)
aptやbrewでのインストールを推奨
エラー6:ModuleNotFoundError(インストール済みなのに使えない)
原因:
pipとpythonのバージョン不一致(複数バージョン共存環境で起きやすい)
解決方法
Python3を使っているなら pip3 で再インストール
pip3 install ライブラリ名あるいは、バージョンを明示的に指定
python3 -m pip install ライブラリ名困ったらこの順でチェック!
- Pythonとpipがインストールされているか?
pip --versionは通るか?- エラーメッセージを読み解く(ライブラリ名の打ち間違い多し)
- ユーザー権限やPythonのバージョンを確認する
- 最終手段:仮想環境(venv)で再チャレンジ
おすすめ【エラー解消に便利な仮想環境】
仮想環境を使うことで、他の環境やライブラリの干渉を避けられます。
python -m venv env
source env/bin/activate # Mac/Linux
.\env\Scripts\activate # Windowsその後に pip を使えば、クリーンな環境でエラーが起きにくくなります。



