AUTOMATIC1111【img2img】の使い方

気に入った生成画像をベースに、AUTOMATIC1111のimg2imgで似た画像を生成するためには、以下のポイントを意識すると効果的です。目的に応じて設定を調整できますが、ここでは「雰囲気・構図・タッチをある程度保ちつつ、新しいバリエーションを得たい」ケースを想定して解説します。
目次
基本設定の流れ


① 使用する画像の準備
- 似た画像を生成したい画像(元画像)を用意
- 解像度:元画像と同じか、やや小さめ(512×768など)にリサイズすると安定しやすい
- ノイズの少ない画像
② img2imgタブの設定
項目名 | 推奨設定 | 説明 |
---|---|---|
Prompt | 元画像に近づけたい特徴を書く(例:1girl, detailed face, watercolor style ) | 画像のスタイル・内容を誘導する |
Negative Prompt | 不要な要素(例:blurry, ugly, deformed, extra limbs ) | 品質向上のため必須 |
Sampling method | Euler a または DPM++ 2M Karras | img2imgでは比較的自由度が高い |
Sampling steps | 20〜30程度 | スタイル保持に影響(高すぎるとノイズ) |
CFG Scale | 5〜7(デフォルト7) | Promptの影響度(高すぎると画像が崩れる) |
Denoising strength | ★重要:0.3〜0.6程度 | 数値が高いほど変化が大きくなる(下記で解説) |
Resize mode | Just resize (画像のサイズをそのまま使用) | サイズを維持したい場合 |
Hires fix | OFFでOK(最初は) | 高解像度化は後工程で行う方が安定 |
Denoising strength の目安(img2imgの最重要パラメータ)
値 | 効果のイメージ |
---|---|
0.2〜0.3 | 元画像の構図・雰囲気をほぼ維持したまま微修正(色合いなど) |
0.4〜0.6 | 元画像の構図を保ちつつ、描き直し感が出る |
0.7〜0.9 | 元画像を参考にしつつ、大きく変化(新しいアイデアに) |
1.0 | ほぼ新規生成に近い(画像の意味が変わる) |
「Copy image to:」は、AUTOMATIC1111のimg2imgタブやtxt2imgタブで生成画像のコピー先を指定する機能です。主にワークフローを効率化するために使います。
Copy image to
生成した画像を指定のセクションに自動コピーするためのチェックボックスです。
例えば img2img 画面では
チェック項目 | 機能(画像のコピー先) |
---|---|
txt2img | txt2imgタブの「img2img画像欄」にコピーされる |
inpaint | inpaintモード(img2img内)にコピーされる |
extras | Extrasタブ(拡大・顔修正など)にコピーされる |
canvas | img2imgの「画像を編集」キャンバスにコピーされる(拡張機能による) |
よくある使い方の例
1. img2img で画像を生成 → 次は inpaint で修正したい
Copy image to:
→inpaint
にチェックしておく
→ 生成後、自動的にinpaintモードに画像がセットされます。
2. txt2img で下書き生成 → img2img で整えたい
Copy image to:
→img2img
にチェック
→ 生成画像がimg2img欄にそのまま入るので、再アップロード不要!
使わない場合の動作
- チェックが付いていないと、生成画像は「output」フォルダに保存されるだけで、どの欄にもコピーされません
- 手動で再アップロードが必要になります
活用のコツ
作業フロー | おすすめ設定 |
---|---|
txt2img → img2img で微修正 | Copy image to: img2img |
img2img → 部分塗りで修正 | Copy image to: inpaint |
txt2img → 顔の拡大補正など | Copy image to: extras |
応用テクニック
ControlNet(ある場合)
- Poseや構図をキープしたい場合に「OpenPose」「Canny」などを併用すると◎
- 元画像の線画やポーズ情報だけを抽出して反映させられる
初回生成後、さらにimg2imgで重ねる
- 1回目:denoising strength 0.5 → 構図や雰囲気をキープ
- 2回目:strength 0.3 → ディテール強化
- など、段階的にimg2imgをかけると、細かい調整がしやすい
目的別おすすめ設定
目的 | Denoising | CFG Scale | 備考 |
---|---|---|---|
スタイルだけを変えたい | 0.3〜0.4 | 5〜7 | 元画像をできるだけ活かす |
構図は維持、描き直したい | 0.5〜0.6 | 6〜7 | ControlNet併用もおすすめ |
完全なバリエーションが欲しい | 0.7〜0.8 | 7〜8 | Promptを少し変える |
AUTOMATIC1111の**img2imgで似た画像を生成するためのScript(スクリプトタブ)**には、便利な補助機能がいくつかあります。以下に目的別におすすめのスクリプトと使い方を紹介します。
よく使われるScriptとその目的
Script名 | 主な用途 | 解説 |
---|---|---|
Prompt S/R | Promptの一括置換 | 使い回し時に便利。例えば"blue eyes" をすべて"green eyes" に変えたい場合などに。 |
X/Y/Z Plot | パラメータ比較生成 | Denoising strength を0.3〜0.8で比較したいときに便利。設定値ごとの画像を自動生成&比較できます。 |
Img2Img alternative test | 一括img2img処理 | 複数画像を一気に処理したいときや、設定を変えて試したいときに便利(やや上級者向け) |
ControlNet(拡張) | ControlNet併用 | スクリプトではないが、実質必須レベル。ポーズ・輪郭・構図の保持などを行いたいときに超便利です。 |
よく使われる具体例
1.Prompt S/R(Search and Replace)
- Scriptを「Prompt S/R」に選択
Prompt search for
:置き換えたいワード(例:red eyes
)Replace with
:新しいワード(例:blue eyes
)
複数バリエーションを試す時に非常に便利です。
2.X/Y/Z Plot
似た画像を生成する際に、Denoising strengthを比較してどの程度画像が変化するかを見たいときに便利です。
- Script:X/Y/Z Plotを選択
- X-axis type:
Denoising strength
- X values:
0.3, 0.4, 0.5, 0.6, 0.7
- 他はデフォルトでOK
すると、各値ごとの画像を一括で生成して比較できるグリッドが表示されます。
3.ControlNet(外部機能)
- ControlNet拡張を導入済みであれば、img2img画面下部に出てきます
- 使いたいタイプ(
Canny
やOpenPose
など)を選んでONにし、元画像をセット - 枠内で「Low/High Threshold」「Preprocessor」を調整
元画像の構図・ポーズを高精度で再現しつつ、新しいスタイルに仕上げられます。
Scriptの使い分け
目的 | Script名 |
---|---|
同じPromptで微調整比較 | X/Y/Z Plot(例:DenoisingやStepsの比較) |
Promptの一部だけ変えたい | Prompt S/R |
まとめて複数画像にかけたい | Img2img alternative test |
ポーズ・構図を固定して再生成したい | ControlNet(スクリプ |
よくあるエラーの原因と対処法
「img2imgでGenerateボタンが無反応」になる場合、以下のような原因と対処法があります。チェック項目ごとに確認してみてください。
1.画像が読み込まれていない(img2imgの元画像)
- 対処:
- img2imgタブ内の「Image to image」欄に画像がドラッグ&ドロップされているか確認
- 読み込まれていないとGenerateは動作しません
2.Denoising strength = 0
- 対処:
- 「Denoising strength」が 0のままだと生成されません
- → 目安:0.3〜0.6 くらいで設定してみてください
3.Promptが空(空白のまま)
- 対処:
- Promptが空欄だと生成できないことがあります
- → 最低限、
"masterpiece, best quality"
など入れておきましょう
4. ControlNetがONで、設定ミス
- 対処:
- ControlNetが有効なのに「Preprocessor」「Model」未選択だと生成できません
- → 一旦 ControlNetのチェックをOFFにして試すか、設定を見直す
5. 出力先ディレクトリが壊れている
- 対処:
- 出力フォルダに書き込み権限がなかったり、壊れている場合に生成が止まることも
- → コンソールにエラーが出ている場合があります
6. 重すぎる画像 or 高解像度(VRAM不足)
- 対処:
- 元画像が大きすぎる(例:4000x3000px)とVRAM不足で止まることがあります
- → 解像度を512px〜768px程度にリサイズして再アップロード
7. WebUI自体が不安定・固まっている
- 対処:
- 一度タブをリロード、またはWebUIを再起動すると直ることもあります
さらに詳しく調べるには
✔ コンソール(ターミナル)の出力確認
- 起動中のターミナル(黒い画面)にエラーメッセージが出ていることがあります
- 例:「CUDA out of memory」「Missing input image」など
再現チェック用リスト
チェック項目 |
---|
画像が読み込まれているか |
Denoising strength > 0か |
Promptが空でないか |
ControlNetが正しく設定されているか |
解像度が高すぎないか |
WebUIが固まっていないか |