【Dockerコンテナ徹底解説】~インストールからDocker対応AIツールまで

Dockerコンテナとは?
- 通常、あるツールやアプリを動かすには「OSの設定・依存ライブラリ・Python・CUDAのバージョン」などを合わせる必要がありますが、Dockerは「仮想のPC(コンテナ)」を素早く・軽く・安全に作れる仕組みです。
- 通常なら手動で行う面倒な環境構築(Python・PyTorch・依存ライブラリの準備)を、“レシピ”のようなDockerイメージにまとめておく事が出来ます。
- Dockerコンテナは「必要な環境をまるごとパッケージした、持ち運びできるミニPC」みたいなものです。
目的 | 難易度 | おすすめ |
---|---|---|
シンプルにツールを試したい | 低 | GUIツール(Upscaylなど) |
環境構築を省きたい or 再現性を重視したい | 中 | Dockerコンテナを使う方法 |
コマンドライン慣れしてる & 拡張したい | 高 | Pythonスクリプト + CLI(または WebUI) |
環境構築に必要なもの
GPUドライバ
Docker + GPU拡張 Docker Desktop + NVIDIA Container Toolkit(自動で入ることが多い)
Docker(OSレベルの仮想環境)
おすすめな人
- CUDAやPyTorchなど「環境構築がめんどうなツール」を一発で使いたい
- 同じツールを複数人で使う(再現性が大事)
- WSLやLinuxにも触れたい・慣れてきた中級者以上
メリット
- PythonやCUDA、OSのバージョンまで一括で管理できる
- 環境の使い回しや再現性が非常に高い(チームでも共有しやすい)
- トラブルが起きても、コンテナを削除してすぐやり直せる
- GPUも活用できる(条件はあるけど)
デメリット
- 初回はちょっと学習コストがある
- Docker Desktopはリソースを少し使う(特にWindows)
Step 0:Dockerって何が便利なの?
まずざっくり理解だけ!
Step 1:Docker Desktopをインストール(GUIで操作OK)
: 公式サイトから自分のOSに合ったDockerをダウンロードDocker公式サイト
Windowsの人:WSL(Linux仮想環境)が自動で導入されることが多いです
Macの人:Apple Silicon/M1の場合はそれに対応したバージョンを選ぶ
インストール後、Docker Desktopを起動しておきましょう!
Step 2:コマンドを打たずに「Hello, Docker!」
Dockerはコマンド操作が基本ですが、まずはGUIで使ってみましょう!
- Docker Desktopを開く
- 上部メニューの「Containers / Apps」で右上の「+ Add Container」をクリック
- 「hello-world」と入力して作成!
これだけで、「Hello from Docker!」というメッセージが出る小さなコンテナが立ち上がります。
Step 3:AI関連ツールの体験(Real-ESRGANやGFPGANなど)
次に、実用的なツールを触ってみたい場合は、GitHub上でDocker対応済みのものを使うのが近道!
例: Real-ESRGANのDocker版
docker run --gpus all -v ${PWD}:/workspace real-esrgan
…といった形ですが、最初は「GUIで使えるDockerツール」や「Colabで試せる代替手段」もおすすめです。
Step 4:(余裕が出たら)Dockerの基本コマンドを学ぶ
最初は下記3つだけ覚えればOK
コマンド | 意味 |
---|---|
docker pull | イメージ(環境)を取得する |
docker run | コンテナ(仮想環境)を起動する |
docker exec | コンテナ内でコマンドを実行する |
最も簡単な始め方セット
- Docker Desktopをインストール&起動
- 「hello-world」で動作確認(GUIでもOK)
- 公式やGitHubにあるDocker対応AIツールを試す
- 少しずつコマンドや概念を覚える
Dockerはとても便利ですが、以下のような新しい用語や考え方を理解する必要があります
内容 | 学習ポイント(例) |
---|---|
Dockerって何? | 仮想環境を「コンテナ」という単位で扱う仕組みを理解する |
イメージとコンテナの違い | 「設計図(イメージ)」から「実体(コンテナ)」を作るという概念 |
Dockerfile | 環境構築の手順をスクリプトで書く方法 |
コマンド操作 | docker run , docker build , docker exec , docker-compose などのコマンドに慣れる必要 |
ボリュームやネットワーク設定 | ローカルとコンテナ間のファイル共有、通信の扱い方なども少し知識がいる場合あり |
GPU対応(NVIDIA環境) | CUDAと連携してGPUを使うには、ドライバや nvidia-docker のセットアップも必要 |
よくある「つまづきポイント」
docker run
したらエラーが出る…原因がよくわからない- GPUが認識されない(CUDA周りの設定が必要)
- コンテナ内でファイル編集しにくい(ホストとの連携が面倒)
- イメージが重い(数GB)ので、最初のダウンロードに時間がかかる
でも一度慣れると…
- 複雑な環境も一発で再現可能
- 誰でも同じ環境で動作確認できる
- 「環境構築でつまずく」ことが激減する
最初のうちは「GUIでDockerを扱えるツール」や「用意されたDocker環境を使う」ことから始めると、かなり楽になります!
- Docker Desktop(GUI)
- Hugging Face や GitHub上で公開されてる Docker対応済みプロジェクト
- ノーコードでDockerを触れるツール(例:Portainerなど)
1. Docker自体はローカルで動作
Dockerをインストールすると、あなたのPCの中に「仮想空間(コンテナ)」を作れるようになります。
たとえば:
docker run myapp-image
このコマンドは「自分のPC上」で myapp-image
を実行しています。
2. オンラインは「素材を拾いに行く場所」
- 実行に必要なDockerイメージ(設計図みたいなもの)は、
DockerHub
やGitHub
※ただし、それは最初の一度きり。その後はローカルでずっと使えます。
たとえるなら…
Docker = 料理できる自分のキッチン(ローカル)
Dockerイメージ = レシピ(ネットで拾ってくる)
実際の調理 = 自分のPCの中でやる
GUIとの関係は?
- Docker自体は **CLIベース(コマンドライン操作)**です。
- ただし、Dockerで立ち上げたアプリがWeb UIを持つように作られていれば、ブラウザで操作することも可能。
- たとえば「InvokeAI」や「AUTOMATIC1111版のStable Diffusion」などは、DockerでもGUIが使えます。
特徴 | 内容 |
---|---|
Dockerとは? | 必要な環境ごとアプリを“箱”に詰めて持ち運べる技術 |
使う意味 | 面倒なセットアップが不要で、どこでもすぐ動く |
使用感 | コマンドで動かすが、GUI付きのものもある |
どんなツールで使える? | 公式がDocker対応してる or 有志が作ったイメージが使える |
Dockerが使えるツールはたくさんあります!
とくに AI画像処理系のツールやライブラリは、最近ほとんどがDocker対応しています。
Docker対応の人気ツール
ツール名 | 説明 | Docker対応 |
---|---|---|
CodeFormer | 顔の補完・復元に特化 | 対応Dockerあり(CUDA 11.8) |
GFPGAN | 顔の高画質化 | 公式Dockerあり |
Real-ESRGAN | 全体の超解像処理(顔以外も) | Docker化プロジェクトあり |
Stable Diffusion | AI画像生成 | 多数のDocker実装あり(AUTOMATIC1111など) |
InsightFace | 顔認識ライブラリ(リアル顔交換系) | Docker対応プロジェクトあり |
Deforum / AnimateDiff | 動くAIイラスト | Dockerで動かす人多い |
ComfyUI / Fooocus | GUI付きStable Diffusion | Docker対応ビルドあり |
「Dockerが使えるか?」の調べ方
各ツールの GitHub ページを見て、READMEなどにこういう記載があればOKです
## Docker
docker build -t mytool .
docker run -it --gpus all mytool
あるいは Dockerfile
や docker-compose.yml
というファイルがあれば、高確率で対応しています。
なぜみんなDockerで配布するの?
AI系のツールって、以下のように環境構築が面倒なものが多いですよね
- Pythonバージョンの違い
- CUDAのバージョン依存
- ライブラリの競合(PyTorch, OpenCVなど)
そこで Dockerを使えば、そのツール専用の環境をまるごと用意できるので、
「環境構築しなくても、誰でも同じように動かせる!」というメリットがあります。
Docker対応AIツールはこれからのスタンダード
環境構築不要で「誰でも同じように」使える
Docker対応のツールはどんどん増えている
CUDAバージョンの制約もコンテナ内で解決できる
OSまるごと仮想化(コンテナ or 仮想マシン):Docker類似ツール
ツール名 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
Docker | 軽量なOS単位のコンテナ | 開発・本番問わず大人気 |
Podman | Dockerと似てるけどroot不要 | セキュアな運用をしたい時に |
Vagrant + VirtualBox | 仮想マシンの自動構築 | OS単位で再現したい時 |
WSL2 (Windows) | Windows内でLinuxが使える | Linux環境構築に最高 |
Singularity | HPC向けのコンテナ | 研究用途などでGPU活用も可能 |

