【差分イラスト】の作り方”LoRA学習用素材”にも最適!な AIツール
目次
「ポーズ差分」と「表情差分」
表情差分を作りたいとき
一番楽なのは Automatic1111 の inpaint(低denoise)
- 顔だけマスク → プロンプトで「smile」「angry」「crying」などを追加。
denoising strength 0.2~0.35
くらいにすれば、衣装や髪型は保持されやすい。- 「顔だけを安定させたい」場合は IP-Adapter (face) や Reference-only を併用するとさらにブレにくい。
ポーズ差分を作りたいとき
ControlNet(OpenPose / Depth) が最適
- 元画像のポーズをOpenPoseで抽出 → 少し修正して別のポーズを生成。
- 衣装はそのまま、ポーズだけ違う画像が作りやすい。
- FooocusよりもAutomatic1111の方が設定を細かくいじれるので安定。
実運用の流れ
- ポーズ差分 → ControlNet(OpenPose)で量産
- 表情差分 → inpaintで顔だけ変える
- 不自然な部分をPhotoshopやGIMPで微修正(必要なら)
こうすれば、LoRA学習用の「統一感のある差分セット」が作れます。
表情差分と微調整
1. Automatic1111 の img2img
- 使い勝手:◎(安定度が高い)
- 設定で「denoising strength」を低め(0.2〜0.4くらい)にすると、元画像を崩さずに差分を付けられる。
- 部分的に変えたいときは Inpaint が有効(表情だけ変える、手の位置だけ変えるなど)。
- Fooocusよりコントロールしやすいので「衣装が変わってしまう問題」を減らせます。
2. ControlNet / T2I-Adapter
- 使い勝手:○(精度は高いが設定が多い)
- pose(OpenPose)、lineart、depth などを指定すれば、ポーズだけ変えて衣装を維持できます。
- 差分イラストの量産には非常に便利。
3. LoRA の「顔固定」用ツール併用
- 使い勝手:○
- 「顔が崩れる」「衣装が変わる」を防ぎたい場合、FaceID LoRAやIP-Adapter(顔画像を参照して固定)を組み合わせると安定。
4. フォトショップ + AI プラグイン
- 使い勝手:△(作業は細かいが自由度は最高)
- Photoshopの生成塗りつぶしやComfyUIベースのツールを併用すれば、ピンポイントで差分を作れる。
差分イラスト制作フロー(両用途対応)
STEP
ベースキャラを決める
「衣装・髪型・顔の統一された立ち絵」を作る
この1枚を「基準絵」として保存
STEP
ポーズ差分(LoRA用 + 完成品向け)
ControlNet (OpenPose / Depth) を利用
- 元絵から骨格データを抽出 → 新しいポーズに差し替えて生成
ControlNet (Depth) Depthで体の立体感を補正 - 「衣装保持」用に
denoising strength 0.4以下
を目安にすると安定
こうして作った差分は、そのまま LoRA学習素材 に使えるし、完成品としても使いやすい
STEP
表情差分(LoRA用 + 完成品向け)
Inpaint(顔だけマスク + 低denoise 0.2~0.35)
- プロンプトで
smile, wink, surprised, crying
などを指定 - 服や髪を変えずに顔だけ変化させられる
IP-Adapter(face) や Reference-only を組み合わせるとより安定
作った表情差分も、LoRA学習と完成品の両方に使える
STEP
仕上げ
AIでどうしても乱れる細部(目・手・小物)は Photoshop(生成塗りつぶし)やGIMP で修正
これを行えば「完成品として使えるクオリティ」まで引き上げられる
- LoRA用素材として使う場合 → 「背景はシンプル」「解像度は512〜768px」「ノイズ少なめ」がおすすめ
- 完成品として使う場合 → 背景や小物を後から追加するのもOK(LoRA学習用にはクロップしてキャラだけを使う)
ポイント
- AIでどうしても乱れる細部(目・手・小物)は Photoshop(生成塗りつぶし)やGIMP で修正
- これを行えば「完成品として使えるクオリティ」まで引き上げられる
完成品を作る際のポイント
目的:そのまま使えるイラストや素材を仕上げたい
- 画質重視
→ 高解像度で生成(1024px以上)。細部の描き込みや背景の有無も気にする。 - 装飾や小物を入れてもOK
→ 小道具やエフェクトを加えて「見栄え」を優先できる。 - 統一感よりもバリエーション
→ 多少キャラの顔や色味が揺れても完成品としては問題なし。 - 修正をしっかりやる
→ PhotoshopやGIMPでの後処理が前提になりやすい。
結果: そのまま販売やスタンプ、作品展示に使える完成度になるが、LoRA学習用にはノイズや余計な要素が多くなることがある。
LoRA学習用差分を作る際のポイント
目的:AIにキャラやスタイルをしっかり学習させる素材を揃えたい
- シンプル背景が必須
→ 単色や白背景にして「キャラ要素だけ」を学習させる。 - 高解像度は不要(512〜768pxで十分)
→ 学習効率を考えると無駄に大きなサイズは不利。 - 統一感最優先
→ 顔や服装の揺れを徹底的に排除。同じキャラだとAIに理解させるのが最重要。 - 小物・装飾は避ける
→ 学習にノイズとなるのでできるだけシンプルに。 - 修正は最低限
→ 学習用なので多少の粗さはOK。むしろ修正しすぎると逆に学習が偏ることも。
結果: 学習効率は高いが、そのまま完成品に使うとシンプルすぎて物足りないことが多い。
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