Civitaiの使い方ガイド|初心者向けに画像生成モデル(チェックポイント・LoRA・IT)の選び方を解説

本記事では、Stable Diffusion向けの”AI画像生成用のモデル共有・配布プラットフォーム”「Civitai(シビタイ)」の使い方を、画像生成の目的に合わせて解説します。

1. Civitaiとは?
Civitaiは、Stable Diffusionで使えるAIモデル(Checkpoint、LoRA、Textual Inversionなど)を共有・ダウンロードできるコミュニティサイトです。
- モデル検索・ダウンロードが可能
- 他のユーザーが生成した画像やプロンプトの参考例を見られる
- 自作モデルの公開・配布もできる
基本的には無料で利用でき、アカウントなしでもダウンロードが可能です。
2. アカウント登録(任意)
登録なしでも利用可能ですが、以下のようなメリットがあります
- お気に入り登録、モデルのフォローができる
- コメントやレビューの投稿が可能
- 自作モデルや画像のアップロードができる
GoogleやGitHubアカウントで簡単にログインできます。
3. モデルの探し方
検索バーを活用しよう
- キーワード(例:「anime」「portrait」「fantasy」)
- タグ(例:「photorealistic」「LoRA」「style」)
- フィルター(モデルの種類・商用利用の可否など)

モデルの種類
Checkpointモデル
- 画像のスタイル全体を決める大元のモデル(.safetensors/.ckpt)
- モデル本体(SD1.5, SDXLベースなど)
- 画風や用途に大きく影響
LoRAモデル
- 特定のキャラや画風などを学習した追加モデル。軽量で組み合わせやすい
- 無くても画像生成が出来る
.safetensors
- キャラクターや特定スタイルを呼び出すのに便利
Textual Inversion (TI / Embedding)
- 特定の単語(トークン)にスタイルやキャラの情報を詰め込む技術。
- 学習済みの
.pt
または.bin
ファイルとして配布されます。 - 例:「
<mychar>
」と入力するだけで、自作キャラクターや特定の画風を呼び出せる。
ControlNet モデル
- ポーズや線画、深度マップなどを使う追加制御用
.safetensors
VAE
- 画質や色味を調整する追加モジュール
.vae.safetensors
4. モデルページの見方

モデル詳細ページでは、以下の情報をチェックしましょう
- About This Model(モデルの概要)
- 推奨のVAE・サンプラー・プロンプト例
- 画像例(Preview):他ユーザーの作例で雰囲気を確認
- License(ライセンス):商用利用OKかどうか確認
- Version選択:fp16 / fp32 などバージョンを選べる場合があります
5. モデルのダウンロード方法

- 「Download」ボタンをクリック
- safetensors形式のファイルを選ぶ(推奨)
- Stable Diffusionの所定フォルダに保存
- Checkpoint:
/models/Stable-diffusion/
- LoRA:
/models/Lora/
- Checkpoint:
【確認ポイント】.ckpt(旧形式)になってしまう
1. モデルが .ckpt
形式しか提供されていない
- 一部の古いモデルや特定のアップローダーは、まだ
.ckpt
(旧形式)しか公開していない場合があります。 - 例:CyberRealistic v4.1 など、最新版でも
.ckpt
のみの提供ということもあります。
2. 「Download」ボタンを押すと自動的に .ckpt
が選ばれる場合がある

多くのモデルページでは、複数のバージョン(例:fp16 / fp32、.safetensors / .ckpt)が並んでいます。
通常は 「safetensors」と書かれた行の右端にある「Download」ボタン を選ぶことで、safetensors形式を選択できます。
【Pruned Modelとは?】
学習後のモデルから、推論(画像生成)に必要ない部分を削除した軽量版です。
※「一部だけ」ではなく、ちゃんと使える完全な画像生成用モデルです。剪定されていても、画像生成に必要な要素は全て含まれています。
主に以下の目的で使われます
- ファイルサイズを小さくする(例:2GB→1.5GBなど)
- 画像生成速度を上げる
- 無駄な重みを削除して、VRAM使用量を削減
【fp16との組み合わせ】
fp16
(半精度浮動小数点)+pruned
モデルは、- 高速・省メモリな画像生成に最適
- 品質は基本的に
fp32
と大差ない(が、まれに差異あり)
3. どの形式かは「ファイル名」や「拡張子」を見て判断する
- 例:
- ✅
CyberRealistic_V4.1_fp16.safetensors
→ safetensors形式 - ⚠️
CyberRealistic_V4.1.ckpt
→ ckpt形式(セキュリティリスクがやや高い)
- ✅
safetensors形式を推奨する理由
.ckpt
はPythonのpickleベースで、悪意あるコードを含む可能性があるため、安全性の面で劣ります。.safetensors
はバイナリ安全設計で、読み込むだけでコード実行される心配がない → よりセキュア
ダウンロードファイルが、.crdownloadになっている時
拡張子 .crdownload
は、Chrome がファイルを まだ完全にダウンロードし終わっていない状態を表しています。完全にダウンロードが終わると、自動的に .crdownload
という拡張子が削除され、正式なファイル名(例:.safetensors
, .ckpt
など)に変わります。
途中で止まった場合やエラーになった場合は、このファイルが残ったままになります。
.safetensors
、.ckpt
など、AIモデルファイルの正式な拡張子になっているかをチェックしてください。
※Civitaiで配布されているモデルの中には、SDXL系や高精細モデルのように サイズが大きいモデル もあります。
そのため、ダウンロードには数GB〜数十GBの容量が必要となり、通信環境によっては時間がかかることがあります。
ダウンロード時間に読むコラム
6. 用途別おすすめの探し方
イラスト・アニメ風
- タグ:
anime
、manga
、illustration
- モデル例:AnyLora、PastelMix、MeinaMix
写実・ポートレート
- タグ:
photorealistic
、portrait
- モデル例:CyberRealistic、RealisticVision、Deliberate
ファンタジー・世界観重視
- タグ:
fantasy
、concept art
、dark art
- モデル例:RevAnimated、DreamShaper、EimisAnimeDiffusio
※Civitaiで配布されているモデルの中には、SDXL系や高精細モデルのように サイズが大きいモデル もあります。
大容量モデルをローカルPCで扱う場合、VRAM不足で生成がうまくいかないことがあります。
その場合は、 クラウドGPUで快適に画像生成する方法 を参考に、GPUリソースを確保するのがおすすめです。
複数のモデルをダウンロードするとフォルダが散らかりやすく、管理が大変になることもあります。
効率的にモデルを整理・管理する方法は 当ページ最後に、モデル管理術まとめ で詳しく解説しています。
これにより、必要なモデルをすぐに呼び出せるようになり、作業効率が格段に上がります。
7. 注意点・安全な使い方

- ライセンスの確認:”Non-commercial”表記は商用NG
- VirusTotal等でスキャン推奨(念のため)
- 評価・レビューを参考にする:不具合・品質の目安になる
【Civitai】でライセンス確認する方法(2025年時点)
① モデルページにアクセス
② ページ中段にあるAbout this version(このバージョンについて)の下のあたりの「Licence」を探す
About this version
• Trained by [作者名]
• Uploaded on [日付]
• Base Model: SD 1.5
• License: Non-commercial
この「License: 〜」の部分がライセンス情報です
「ライセンス表示がない」場合の可能性
- モデルのバージョン(右側の「Version」一覧)ごとにライセンス情報が異なる場合があります
- モデル本体ページではなく「個別のバージョン詳細」ページに記載されていることもあります
ライセンス記載がないモデルもある
ライセンス記載がない場合は以下を確認します。
「Civitai Standard License」の場合 → 原則非商用
- 記載が一切ない場合 → 商用は避けた方が安全(不明=可ではない)
8. モデルの使い方と使えるツール
今話題の最新版Fooocusを使用して使用する方法
使いやすくておすすめのStable Diffusion系ツール

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AUTOMATIC1111 Web UIで使用する場合の流れ
1.モデルファイルを次の場所に配置します。
2.AUTOMATIC1111 WebUI画面を開く
- Checkpointを読み込む:Web UI上部のモデル選択から変更
- LoRAを使う:プロンプトに
<lora:model_name:重み>
を追加 - VAEが必要な場合は別途読み込み(
/models/VAE/
)
おすすめ!
AUTOMATIC1111 Web UIの使用方法に関しては、 こちらの記事をご覧ください。
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9. よくある質問(FAQ)
Q. fp16とfp32の違いは? → fp16は軽量・高速で画像生成向き、fp32は学習用途向き
Q. 商用利用可能なモデルだけ探すには? → フィルターの「License」から “Open” や “CreativeML Open RAIL-M” を選ぶとよい
Q. モデルが読み込めないときは? → Web UIのログを確認、形式がsafetensorsかチェック、VRAM不足の可能性も
目次
モデル管理術まとめ
Civitaiで複数のモデルをダウンロードしていると、フォルダが散らかりやすく、必要なモデルをすぐに呼び出せないことがあります。
そこで、効率的にモデルを整理・管理する「モデル管理術」を知っておくと便利です。
- フォルダ構成を整理する
Checkpoint、LoRA、Textual Inversion、VAEなど種類ごとにフォルダ分けし、さらに用途別(イラスト系、写実系、ファンタジー系など)のサブフォルダを作ると探しやすくなります。
同じモデルの異なるバージョン(fp16 / fp32 / Pruned)はサブフォルダで管理しましょう。 - 命名規則を統一する
例:CyberRealistic_v4.1_fp16.safetensors
やAnyLora_AnimeGirl_1.0.safetensors
のように、モデル名・バージョン・形式を明記すると管理が楽になります。 - 使用頻度で分類する
よく使うモデルはメインフォルダやショートカットにまとめ、あまり使わないモデルはアーカイブフォルダに移動。容量やVRAMの節約にもなります。 - クラウドストレージを活用する
Google DriveやOneDriveにバックアップしておくと、ローカル容量を圧迫せず、必要なときだけダウンロードできます。大容量モデルやSDXL系モデルの管理に特に便利です。 - タグやリストで管理する
ExcelやNotionで「モデル名・用途・タグ・お気に入り度」をまとめておくと、どのモデルがどんな用途に向いているか一目で分かります。 - 定期的にメンテナンスする
古いモデルを整理・削除したり、新しいバージョンが出たモデルを更新することで、作業効率と快適さを維持できます。
これらの管理術を実践すると、必要なモデルをすぐ呼び出せるようになり、Civitaiでの画像生成作業が格段に効率的になります。
まとめ
Civitaiは、Stable Diffusionをさらに楽しく、強力にするための宝庫です。最初はどのモデルを選べばいいか迷うかもしれませんが、目的に合わせて探せば、自分の理想の作品に近づけます。ぜひ、気になったモデルを試して、自分だけの画像生成を楽しんでください!