【Colabノートブック】LoRAのColabでの使い方と導入手順

Colabノートブック LORA Colabでの使い方
目次

初心者におすすめのColabノートブック

画像生成AIに興味はあるけど、「高性能なPCがないと無理そう…」と感じていませんか?実は、誰でも無料で強力な画像生成AIを使える方法があります。それが Google Colab(グーグル・コラボ) の活用です。
Colabは、クラウド上のGPUを借りてAIを動かせる便利なサービスで、Stable Diffusionなどの画像生成も簡単に始められます。

本記事では、Colabノートブックを使用して、LoRAを使用する方法について、初心者でも安心して使えるおすすめのColabノートブックを紹介しつつ、使用方法を解説しています。

※本記事は、自身の絵柄のLoRAを作成する方法では無く、既存のLoRA、もしくは自作のLoRAをGoogle Colab上でStable Diffusionを使用して使用する方法について解説しています。

自分の絵柄のLoRAを作成する方法については、こちらの記事をご覧ください。

LoRAが使えるUI一覧

LoRAとは?

Stable Diffusionを使っているとよく目にする「LoRA」という言葉。
LoRA(Low-Rank Adaptation)は、Stable Diffusionのモデルを軽量かつ効率的にカスタマイズできる学習拡張方式です。
大規模な再学習は不要で、少ないVRAMでもモデルの「性格」や「画風」を変えられるのが特徴です。
しかも、Google Colabを使えば、どんなPCでも気軽に試せます!

Google ColabでLoRAを使う流れ

ColabでStable Diffusionを動かす場合、多くの人が使っているのが「AUTOMATIC1111 WebUI」や「ComfyUI」です。
どちらもLoRAに対応しており、これらのツールは、この下の、手順2.の要領で簡単に使用する事が出来ます。しかし、初めて利用する場合は、手順1.の”LoRAファイル(.safetensors形式)を用意”して、Google Driveにそのファイルをアップロードするところから始めた方がスムーズですので、その方法から解説していきます。

1, LoRAファイル(.safetensors形式)を用意

まずは、学習に使用するモデルを用意します。この記事にたどり着いた方の中には、明確に使用したいLoRAが決まっている方も多いかもしれませんが、使用したいLoRAモデルが決まっていない方は、以下のサイトで、先ずは使用したいモデルを探しましょう。

LoRAファイルを用意する際に、気を付ける事
今回、この記事で使用するColabのノートブックは、
Checkpointが、sd_xl_base_1.0.safetensorsですので、SDXL用のLoRAを使うか、v1-5-pruned-emaonly.safetensorsanything-v4.5.safetensorscounterfeit-v3.0.safetensors などをダウンロードして、後ほどLoRAファイルと共にGoogle Driveにアップロードしましょう。
自作のLoRAなどで、v1.5で学習したLoRAの場合は、SD1.x用のLoRAを使います。
Checkpointと、LoRAの互換性を考慮しましょう。

anything-v4.5.safetensors

Checkpoint(本体)対応するLoRA形式備考
sd_xl_base_1.0.safetensorsSDXL用LoRA(1.0または1.0.1向け)SDXL専用
v1.5 / v1.4 (model.ckpt, anything-v4, etc)SD1.x用LoRA一般的なアニメLoRAはこちら
v2.1SD2.x用LoRA(少数派)SDXLとは別物

Civitai(シビタイ) ← 最大手、検索しやすい以下の記事で、おすすめLoRA、Civitaiのリンクと使い方について書いています。

Hugging Face Hub ← 研究者向け、高信頼こちらの記事で、Hugging Faceのリンクと使い方について書いています。

ポイント LoRAファイルは必ず.safetensors形式を使いましょう(.ptは非推奨)。

無料で使えるおすすめLoRAモデル(初心者にもおすすめ)

1. epiCPhotoGasm LoRA

  • 特徴:写実的でコントラストの効いたフォト風画像が得意。
  • 用途:ポートレートや人物写真風の画像に向いています。
  • URLhttps://civitai.com/models/11833

2. ShoujoMix LoRA

  • 特徴:美少女系・アニメ風に特化。やわらかいタッチの絵柄。
  • 用途:キャラクター、アニメ風イラスト制作向き。
  • URLhttps://civitai.com/models/13157

3. Realistic Vision LoRA(派生あり)

  • 特徴:リアルな肌や顔立ちを再現できる万能型。
  • 用途:リアル寄りの人物表現やシーン描写に。
  • URLhttps://civitai.com/models/4201

4. Style LoRA(Studio Ghibli Style、Cyberpunk、Gothicなど)

  • 特徴:特定の画風・ジャンルを再現するスタイルLoRA。
  • 用途:雰囲気づくり、テイストの追加に便利。
  • URL例https://civitai.com/tag/style

5. Character LoRA(有名キャラクター風)

  • 特徴:ゲームやアニメのキャラ風スタイルを簡単に再現。
  • 用途:ファンアート制作やパロディ向け。
  • 注意著作権に注意。商用利用不可のケースが多いです。

商用利用の際の注意点

  • モデルのライセンス表記(CreativeML RAIL-Mなど)を必ず確認
  • 「商用利用OK」と明記されていても、学習元データによってはグレーな場合もあるので注意
  • アニメキャラ風・実在人物風などは基本的に商用利用NG

2. Google Driveにモデルファイルをアップロード

Googleアカウントは、今から使用するGoogle Driveと、Google Colabでも必要ですので、もし現時点でGoogleアカウントが無い場合は作成してください。

まずは、ダウンロードしておいたLoRAモデルの.Safetensorファイルを、Colabと連携するGoogle Driveの任意フォルダに保存します。
 例:/content/drive/MyDrive/stable-diffusion-webui/models/Lora

Google Driveでフォルダを作成する方法(事前準備)

Google DriveのWebブラウザ上でフォルダを作成する方法について説明します。

※Google Drive はときどき表示や操作にバグが出ることもあるので、操作が上手くいかなくても、
焦らずリロードや時間をおいて対応してみて下さい。

手順(PCブラウザから)

  1. Google Driveにアクセス
    https://drive.google.com にアクセスし、Googleアカウントでログインします。
  2. 左上の「+新規」ボタンをクリック
    左側サイドバー上部にある「+新規」ボタンを押します。
GoogleDriveフォルダの作成①

4.フォルダ名を入力します。
MyDrive内に stable-diffusion-webui/models/Lora の階層になるように、予めフォルダを作成しておきましょう。

MyDrive/
└ stable-diffusion-webui/
   └ models/
      └ Lora/   ← ここがLoRAファイル保存先
フォルダ名
Google DriveでLoRA用フォルダを作成

5.「作成」ボタンを押す

Google DriveでLoRA用フォルダを作成LoRA


新規フォルダが作成されました。

フォルダを、ダブルクリックするとファイルをアップロード出来ますので、LoRAモデルの.Safetensorファイルをドロップして、アップロードしましょう。

Googleドライブでフォルダを開く
ファイルのアップロードの完了

3.Colabノートブックを起動

Colabノートブックを起動する為に、Stable DiffusionのAutomatic1111のWebUIか、Comfyを選びます。
ここでは、それぞれ人気のノートブックを一つずつピックアップしておきましたので、試しにどちらかで実践していってみましょう。
操作画面は、Automatic1111と、ComfyUIではかなり違います。
今回は、GitHubのAUTOMATIC1111 WebUI for Colab(TheLastBen版)で解説していきます。

TheLastBen版 A1111 WebUI
camenduru版 ComfyUI Colab

Google ColabでWebUIを開く
AUTOMATIC1111 WebUI の画面
ComfyUI
ComfyUI の画面

これらのノートブックでは、Google Driveをマウントして設定するだけでStable Diffusion環境が構築されます。

上のリンクを開いて、少しスクロールすると、Colab-AUTOMATIC1111という文字がありますね。これが、Colabのノートブックへのリンクになります。

この、TheLastBen版では非常に見やすいのですが、他のColabのノートブックへのリンクも大抵このように少し探せば見付けられるようにリンクが設置してあります。

GitHubぺーじへ1⃣
引用元:AUTOMATIC1111 WebUI for Colab(TheLastBen版)
Open in Colab

クリックすると、Colabnoノートブックが開きます。
初めてアクセスする際は、Googleアカウントを選択して進んでください。

ColabでGoogle Driveをマウントして読み込む

Colabの画面が開いたら、先ずは、右上のランタイムの設定を確認しましょう。

Colabのランタイムの設定
ランタイムをGPUに設定

1⃣ランタイムのタイプがGPUであることを確認

Google Colabのセット

2⃣左側のオレンジのファイルのアイコンをクリック
3⃣左上の”ドライブをマウント”をクリック

from google.colab import drive
drive.mount('/content/drive')

4⃣上のコマンドのセルの▶をクリックすると、アクセスの許可を求められます。

Google Driveファイルの認証

Google Driveに接続する。

5⃣すると、左側のファイルのアイコンから→contentgdriveMyDrivestable-diffusion-webuimodelsLora自分のファイルと、先ほど作成したファイルがマウントされてLoRAファイルにたどり着ける様になりました。

ColabでLORA2⃣

6⃣あとは、基本的には、▶のボタンを上から順に押していくだけです。

Stable Diffusionのダウンロードの完了

Start Stable DiffusionのセルのRunning on public URL:をクリックするとWebUI画面が開きます。

ComfyUIでのLoRA導入方法(ざっくり)

GitHub Comfyページ
ComfyのColab

基本的な手順は、AUTOMATIC1111と同じですが、ComfyUIはノードベースのインターフェースなので、操作は少し異なります。慣れればとても自由度が高いです。

  1. ColabまたはローカルでComfyUIを起動
  2. ComfyUI/models/loras フォルダにLoRAファイルをコピー
  3. ComfyUIを再起動後、ノード内の「LoRA Loader」などで選択可能になります
  4. 「Text Encoder」ノードなどと接続してプロンプトに反映
  5. Weight(重み)ノードで調整(0.6〜1.0が目安)

ComfyUIでは「ノードのつなぎ方」によってLoRAの効果が変わるので、テンプレートやサンプルフローを参考にすると便利です。

4. プロンプトにLoRAを指定して使う

Google ColabでWebUIを開く

 AUTOMATIC1111の場合は以下のように入力
   <lora:LoRAファイル名:重み>  例:<lora:epiCPhotoGasm:0.8>  
 → 重みは0.6〜1.0くらいがおすすめ。調整で絵柄の影響度が変わります。

  • プロンプトに <lora:xxx:0.7> の形式で使用
  • 出力にLoRAが反映されていればOK!
<lora:LoRAファイル名:重み>
例:<lora:epiCPhotoGasm:0.8>

※重み(0.6〜1.0)はLoRAの「効き具合」です。お好みで調整してみましょう。

※AUTOMATIC1111でのLoRAの設定用数値や調整の詳細下の記事をご覧ください。

その他のおすすめのColabノートブック

Kohya Trainer + WebUI(LoRAの学習にも)

  • URLhttps://github.com/bmaltais/kohya_ss
  • 特徴
    • LoRAやDreamBoothの軽量学習が可能
    • GUI付きでわかりやすい
    • 必要なVRAMが少なく、Colabでも動きやすい
  • 商用利用:学習モデル・元モデルのライセンスに注意

Easy Diffusion Colab(シンプルで軽量)


Colabノートブック使用時のポイント

Colabは、無料枠だとGPUの割当が不安定だなというのが実感です。安定利用には「Colab Pro」推奨(月額約1,200円〜)です。

Colabのエラーには「ノートブックのコードミス」ではない外的な要因(制限)」が非常に多く、初心者が混乱しやすいポイントです。
以下に代表的な制限と、それによって起きる典型的なエラーを整理してみました。

Colabでよくある制限とエラーの原因

制限の種類内容よくあるエラー例
セッション時間制限無料版で最大90分~3時間でセッション切れRuntime disconnected
cannot connect to backend
RAM制限約12GB(無料)/ 約25GB(Pro)
画像が多いと強制終了
OOM (Out Of Memory)
killed エラー
ディスク容量制限/content/ 以下は約80~100GB(変動)モデル・画像DLで容量超過 → No space left on device
GPU割り当て制限長時間使用 or 高頻度使用で割り当て不可にNo GPU with CUDA available
GPU unavailable
ネットワーク制限外部サイトやGitHub DL制限、rclone経由も遅くなることあり403 Forbidden
Connection reset
ファイル保存制限files.upload() や Google Drive マウントでバグPermission denied
FileNotFoundError
Python環境の揮発性セッション切れるとすべてリセットされるModuleNotFoundError
import error(再実行漏れ)

対策まとめ

問題対策
セッション切れ定期的にコードを保存 / Ctrl+Enter で動かす / Pro契約
RAM不足画像枚数や解像度を減らす / batch_size=1 にする
ディスク制限rclone や Google Drive 保存に切り替える
GPU不足混雑時間(日本時間18~23時)を避ける / Pro契約も検討
rcloneの転送遅延転送対象を事前に縮小・圧縮しておく(例:zip化)
モジュール未読込セルの上から順にすべて再実行する(Runtime → Run all

Colabを安定させる工夫(実践的)

  • 最初のセルで Google Drive や rclone を 確実に接続・マウント
  • セル順を守る(上から順に、必ず一度は全部通す)
  • 長時間のLoRA学習(30分以上)は学習途中のモデルを定期保存
  • セッション切れ対策として、学習途中でも定期的に重みを保存
  • 時間帯を避けて使う(早朝・深夜は比較的空いている)

【Colab以外のクラウドGPU】他の選択肢

安定利用には、最安値で高性能クラウドGPUを使用出来るRunPodもおすすめです。
RunPodの価格の目安はこちら。RunPodは、使用1時間ごとに課金されるシステムです。

RunpodのGPU価格表

LoRA活用のコツと注意点

  • 影響が強すぎると不自然になることもあるので、重みの調整が大事
  • 1つのプロンプトに複数のLoRAを使って表現をミックスすることも可能
  • 「構図」「ポーズ」にはControlNetを組み合わせるとさらに効果的
  • 1枚の画像で表現が大きく変わるので、複数LoRAの組み合わせも◎
  • VRAMが少ない場合は軽量LoRAを使うことで安定します

LoRAは、Stable Diffusionでの創作の幅を一気に広げてくれる心強い味方です。Colabを使えば、ハイスペックPCがなくても簡単に試すことができます。

LoRAが使えるツールのおすすめ!

見た目の操作性にも配慮されており、Stable Diffusion専用テンプレートを選ぶだけでWebUI(AUTOMATIC1111など)が起動可能なクラウドツール。
画像生成、LoRA学習用のテンプレートもあり、おすすめです。RunPodについての記事はこちら。

ローカル環境でLoRAをKohya_ssで自作する方法はこちらの記事をご覧ください。

ローカル環境で、画像生成をする方法はこちらの記事をご覧ください。


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