Python(3.8以上)のインストール方法

WhisperなどのAIツールを動かすためには、Python(パイソン)というプログラミング言語が必要です。
ここでは、Python 3.8以上をWindows・Mac・Linuxにインストールする方法を、わかりやすく解説します。
Pythonとは?
- 世界中で使われている人気プログラミング言語
- AIやWeb開発、データ分析など幅広い分野で活躍
- WhisperなどのAIツールはPythonで作られており、Pythonが動作環境として必須
3.8以上のバージョンを選ぶ理由
WhisperなどのAIツールは、Python 3.8以上でないと動かないものが多いです。
ただし 最新の3.12では一部のライブラリが未対応のこともあるため、安定版を選ぶなら 3.10 〜 3.11 が安心です。
現在のWhisperなどのAIツールにおいて、Python 3.10 系は現在ライブラリ対応が安定しており、推奨に近いバージョンとなっています。
AI/画像生成/音声認識系ツールでは、まだ自己責任要素が強いのが、最新版、Python 3.12 の現状です。(2025年時点)
画像生成用途の方は勿論のこと、Python 3.10 系をご利用の方は、こちらのPython3,10,6のインストール記事をご覧ください。


この記事のインストール方法は、最新版のインストール画面に沿っています。
最新の3.12では一部のライブラリが未対応のものがあります。
現時点(2025年5月)で、 Python 3.10 の方が Python 3.12 より適しているツール・ライブラリは多い理由は以下のとおりです。
多くの人気ライブラリ(PyTorch、TensorFlow、OpenCV、Whisper、Diffusersなど)は、まず Python 3.10 までを対象に安定版を提供します。
Python 3.11や3.12の対応は、「対応済」と書いてあっても実際は不具合が出ることがあるため、プロジェクトでは避けられる傾向。
PyTorch(画像生成やAIツールで広く使われる)は、Python 3.12 に完全対応しているのは比較的最近です。
CUDA対応やビルド環境の整合性などで、3.10の方が検証が進んでいるためトラブルが少ない。
特に非エンジニアやクリエイターがAIツールを使う場合、「動くこと」が最優先なので3.10は安全圏。
Python 3.12 の現状(2025年時点)


Python(3.8以上)のインストール方法
本記事では、Python(パイソン)3.8以上をインストールする方法について、
Windows、MacとLinux(Ubuntu系)それぞれのOS向けに、手順をご紹介します。
【Windows】の場合
ステップ1:Python公式サイトにアクセス
以下のリンクから、公式インストーラーをダウンロードします。
🔗 https://www.python.org/downloads/windows/
※こちらのリンクページを開くと、Windows用の最新の安定版(例:Python 3.12.3)が表示されます。
ステップ2:インストーラーをダウンロード


※「埋め込み可能パッケージ(embeddable package)」は、Windows向けに最小構成で配布されているPythonの軽量版のことです。Pythonを他のアプリケーションに組み込んで使うことを目的として提供されています。
形式:ZIPファイル(例:python-3.10.11-embed-amd64.zip
)
一般ユーザー・AI開発・Kohya_ssなどを使いたい場合 → 通常版をインストールしましょう。
自作アプリにPythonを組み込みたい、または最小構成で持ち歩きたい → 埋め込み可能パッケージが適しています。
「Download Python 3.◯◯」ボタンをクリックすると、インストーラー(.exe
)がダウンロードされます。
ステップ3:Pythonのインストール
- ダウンロードした
python-3.◯◯.exe
をダブルクリック - インストール画面で必ずチェックを入れる項目: 「Add Python 3.x to PATH」にチェックを入れる
- 「Install Now」をクリックしてインストール開始!
ステップ4:インストール確認
インストール後に、コマンドプロンプトを開いて以下を入力。
ターミナル(Windows Terminal)コマンドプロンプト、PowerShell、の開き方
Windowsの場合は、(※Windows Terminal)を開きます。
※Windows Terminal(ウィンドウズターミナル)の起動方法…
コマンドの実行は、Windows標準の「Windows Terminal」を使って行います。
(※コマンドプロンプト(cmd)やPowerShellでも同様に動作しますが、Windows Terminalの方が操作しやすくおすすめです。)
コマンドプロンプト(Command Prompt)とは、Windowsに搭載されているテキストベースのインターフェースです。マウス操作ではなく、キーボードからコマンド(指示)を入力することで、パソコンを操作できます。
Windows Terminal起動方法
- スタートメニューで、左クリック➡ターミナルを起動もしくは、「Windows Terminal」と検索して起動
- デフォルトでは PowerShell または Command Prompt(cmd)(又は、WindowsPowerShell)が開きます
画像生成用途の場合は、Command Prompt コマンドプロンプト(CMD)と相性が良いです。
pip install
や conda
などのモダン開発向けコマンドは、PowerShellと相性が良いです。
※詳しい使用方法や、Windows Terminalの設定方法は、こちらの記事をご覧ください。
Windows Terminalは、タブを切り替えて複数のシェルを使う事が出来ます
- 上部の
+
ボタンから新しいタブを開けます - PowerShell
- Command Prompt
- WSL(Linuxサブシステム)※インストール済みなら
- Azure Cloud Shell(必要な場合)
をクリックすると以下の選択肢があります
※Microsoft 公式も「Windows Terminal」を推奨しているため、当サイトでも記載するWindowsのコマンド実行場所を、コマンドプロンプト(cmd)から「Windows Terminal」に変更致しました。
コマンド入力は間違えるとエラーになることもありますが、慣れると素早く作業ができる便利なツールです。
Macの場合は、(※ターミナル)を開きます。
※ターミナル(Terminal)の起動方法…
Macには「ターミナル(Terminal)」というアプリがあり、これを使うことで、コマンドを入力してシステムを操作できます。
ターミナル起動方法
- **「Command ⌘ + Space」を押して、「Spotlight検索」**を開く
- 検索バーに「ターミナル」と入力してEnter
または、以下の手順でも開けます:
アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル
※Linux のターミナルの起動方法…
Linuxでは「ターミナル」が、コマンド操作の基本です。ウィンドウの中でキーボード入力によりシステムを操作します。
Linuxターミナル起動方法
- 1,:
Ctrl + Alt + T
を同時に押す(多くのLinuxディストリビューションで共通) - 2,:アプリケーション一覧から「ターミナル」または「Terminal」で検索して開く
Ubuntu、Fedora、Debianなど、ほとんどのLinux環境に標準で搭載されています。
Macのターミナルと似た雰囲気で、コマンドの使い方もほぼ共通です。
※PowerShell の起動方法…(Windows)
PowerShell(パワーシェル)**は、Windowsに標準搭載されている、より高度な操作ができるコマンドラインツールです。見た目はコマンドプロンプトと似ていますが、より多機能で、プログラミング的な処理も得意です。
PowerShell起動方法
1,スタートメニューで「PowerShell」と検索してクリック
2,Windowsキー + R を押して「powershell」と入力 → Enter
コマンドプロンプトと同様、キーボードからコマンドを入力して操作します。
たとえば Get-ChildItem
(=フォルダの中身を見る)など、PowerShell独自のコマンドもありますが、通常のコマンド(例:cd
やpython
など)も使えます。
※コマンドプロンプト(cmd)の起動方法…(Windows)
Windowsキー + Rを押す
「cmd」と入力してEnterを押す
または、スタートメニューで「コマンドプロンプト」と検索してもOK!
ターミナル(Windows Terminal)を開き、”○○○(ツール名)”と打ち込むと呼び出してくれます。


python --version
成功すれば、以下のようにバージョンが表示されます
Python 3.12.3
項目 | 内容 |
---|---|
対応OS | Windows 10 / 11 |
推奨バージョン | Python 3.10~3.11 |
必須設定 | 「Add to PATH」にチェック |
確認方法 | python --version でOK |
MacOS の場合
方法1:Homebrew(推奨)
Homebrew(Mac用パッケージ管理ツール)を使えば簡単に最新版をインストールできます。
【ステップ1】Homebrewの確認またはインストール
ターミナルを開いて以下を実行
brew --version
表示されなければ、以下の公式コマンドでHomebrewをインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
【ステップ2】Pythonのインストール
brew install python
完了後、以下でバージョンを確認
python3 --version
Python 3.11.x
などと表示されれば成功です!
Linux(Ubuntu系)の場合
UbuntuやDebianでは、apt
コマンドを使ってインストールできます。
方法1:aptでインストール(Ubuntu 20.04以降)
sudo apt update
sudo apt install python3 python3-pip
バージョン確認
python3 --version
Ubuntu 22.04 では Python 3.10 がデフォルトです。
pip(パッケージ管理ツール)の確認
pip3 --version
表示されなければ追加でインストール
sudo apt install python3-pip
補足:バージョンが古い場合の対処(Linux)
python3.6
など古いバージョンが入っている場合は、ソースビルドまたはdeadsnakesリポジトリを利用する方法もあります(やや中級者向け)。
pip や venv も自動でインストールされる
最新版の Python(3.4以降) を公式サイト(https://www.python.org/)からインストールした場合、以下の2つは基本的に自動で含まれています
pip
(Pythonパッケージ管理ツール)
→ Pythonのモジュールをインストールするためのコマンド。
→ 例:pip install torch
venv
(仮想環境構築モジュール)
→ 他のプロジェクトと依存関係を分離したいときに使う。
→ 例:python -m venv env


pip(パッケージ管理)が使えるか確認
pip --version
または:
python -m pip --version
結果例:
pip 23.0.1 from ... (python 3.10)
pip 23.0.1 from … (python 3.10)
チェックすべきコマンド一覧
目的 | コマンド |
---|---|
Pythonのバージョン確認 | python --version または py -3.10 --version |
複数バージョン確認 | py -0 |
pipが使えるか | pip --version または python -m pip --version |
実行ファイルの場所確認 | where python |
トラブル時の対処法
問題 | 対処法 |
---|---|
python コマンドが効かない | PATHが通っていない → 再インストールまたは環境変数の修正 |
pip がない | python -m ensurepip を試す |
複数Pythonで混乱 | py コマンド(例:py -3.10 )で明示バージョン指定可能 |
さらに進んで、仮想環境(venv)の作成と起動確認もしたい場合は、


基本の文法に触れる
- まずは対話モード(REPL)で遊ぶ
ターミナルでpython
を打って、
>>> print("Hello, Python!")
>>> 2 + 3
>>> "あなたの名前"
簡単なスクリプトを書く
ファイル hello.py
を作って、
name = input("名前を教えてください: ")
print(f"こんにちは、{name}さん!")
と書いて、python hello.py
で動かしてみましょう。
小さな体験を重ねてみる
- ファイル操作:ディレクトリ一覧を取得したり、テキストを読み書きする
- Webスクレイピング:
requests
+BeautifulSoup
で簡単な情報を取得 - API呼び出し:天気情報やニュースを取得して、ターミナルに表示
こうした「自分で動くツール」を1つ作ると、学びのモチベーションがグッと上がります。
フレームワークでアプリを作ってみる
- Flask(初心者向け軽量Webフレームワーク)
たった数行でHello, World!
サイトができ、ルーティングやテンプレートの仕組みが学べます。 - Django(WordPressに近い“管理画面付き”フルスタック)
モデル/ビュー/管理画面の概念を学びながら、ブログや簡易CMSを作ってみましょう。
学びを広げるコツ
- 公式チュートリアルを1つ最後までやってみる
小さくても「手を動かしきる」経験が大事です。 - GitHubでソースを読む・真似る
気になる小プロジェクトのリポジトリをクローンして、自分なりに改造してみる。 - コミュニティに参加
Stack Overflow や Python Japan Slack、勉強会で質問してみると新しい発見があります。
⚠ よくあるトラブルと対処法
症状 | 対処法 |
---|---|
'python' is not recognized エラー | PATHに追加されていない → 再インストール or 環境変数を手動で設定 |
python ではなく py が動作する | py はPythonランチャー。py --version で確認可能 |