【画像補完&高画質化ツールの活用法】足りない・荒いをAIで解決!

画像補完と高画質化の違いとは? — 目的と使い分け



画像生成AIを使っていると、仕上がった画像にこんな悩みが出てくることがありませんか?
- 「画質が荒くて、サイトに使うにはちょっと…」
- 「指が変な形になってる…」
- 「背景が途切れていて違和感がある」
そんな時に役立つのが、「画像補完」と「高画質化」という2つのAI技術です。一見似ているように思えますが、それぞれの目的と効果はまったく別です。
画像補完(Inpainting / Completion)
画像が“生き返る”
数年前、写真修復の達人と呼ばれる職人がテレビで特集されていました。昭和の古写真を、手作業で丁寧に補正し、破れた部分を少しずつ描き起こしていたその姿は、まさに“現代の錬金術師”。ただ1枚の家族写真のために数日かけることもあるそうです。
──ところが、今やその作業が、AIでほんの数秒でできてしまう時代になりました。
手仕事の温かみにはかなわないかも知れません。でも「とにかく早く、きれいに、手軽に直したい!」という人にとって、AI画像補完ツールはまさに救世主なのです。
*拡散モデル(diffusion model)ベースで動いており、Stable Diffusionの親戚のようなAI。
背景のパターンや画像の構造を理解して、自然なつなぎ目や一貫性のある描写を生成。
テキストで「空を夕焼けに変えて」や「この人物の服をスーツに」などの指示が可能。
目的画像の“欠けている”部分を、AIが自然に補うこと
たとえば、次のようなシーンで使われます
- 指の形が不自然な時に、手全体を補完して自然に整える
- トリミングで切れた背景をAIで拡張してつなげる
- 顔の一部が崩れているときに、別画像から学習したAIが補正する
有名なツール例:
RestoreFormer — 記憶を再構築するような、やさしい補完AI
もともとは認知症患者の顔写真再構築のために開発された論文ベースの技術。
人の顔の特徴をやさしく推測して整えるのが得意。派手すぎない自然な補完が魅力。
🔗 詳しくはこちら → [RestoreFormerの使い方&ダウンロード方法]
CodeFormer — “整形AI”の異名をもつプロ向けツール
「過去の自分を超えてくる」とSNSで話題に。
VFX業界の研究者も使う高精度補完ツール。細部の美化やノイズ除去に強い。
🔗 詳しくはこちら → [CodeFormerの使い方を詳しく解説した記事はこちら]
GFPGAN — “顔だけ特化”のスピード重視AI
画像がボヤけても顔だけはピシッと復元!
アップロードして一発処理、しかも軽量。処理が速く、初心者にも扱いやすい。
Photoshopの「生成塗りつぶし(Generative Fill)」
Photoshopの「生成塗りつぶし(Generative Fill)」は、Adobe FireflyのAI技術を活用した、とても強力で直感的な画像補完&編集ツールです!
ここでは、仕組み・特徴・他のツールとの違いも含めて、分かりやすく解説しますね。
生成塗りつぶしとは?
Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし」は、
画像の一部を選択してテキストで指示するだけで、その部分を自然に補完・置換・拡張してくれる機能です。
下の記事でも、Adobe Photoshopの「生成塗りつぶし」を使用した、背景の生成に付いて詳しく解説しています。


高画質化(Upscale / Super Resolution)
画像の高画質化とは、ざっくり言うと「小さくてぼやけた画像を、大きくてハッキリした画像に変えること」です。でも、単純に画像サイズを大きくすると、普通はボケボケになりますよね。
そこで活躍するのが ”AI(人工知能)”です。
AIは「これは目の輪郭」「これは髪の毛の質感」などを大量のデータから学習していて、元画像には映っていない細部も“予測”して描き足すことができるのです。
目的画質の粗い画像を、キレイで鮮明に引き伸ばすこと
たとえばこんなシーンで活躍します
SNSで保存した画像が小さくて荒い → AIで4倍の大きさに高画質化
イラストやアイコンの輪郭がぼやけている → 鮮明にシャープ化
有名なツール例:
Topaz Gigapixel AI — ディープラーニングによる超解像
Topazは、自社開発のAIモデルを使って、写真のぼやけをくっきり補正し、
ノイズを除去しつつディテールを再現します。又、元画像には無いディテールも“ありそうな形”で予測生成をします。
これは「超解像(Super-Resolution)」という分野で、
たとえば「猫のヒゲの先」や「洋服の繊維の質感」など、人間の目に“自然に見えるように”再構成するのが得意です。
→ 小さな写真や古い写真が、プロ並みに鮮明で自然な画像に変身します!
🔗 詳しくはこちら → [Topaz Gigapixel AI の使い方を詳しく解説した記事はこちら]
Let’s Enhance — AIプリセットによるシーン別最適化
Let’s EnhanceもAIを使いますが、Topazのように完全に“汎用の画像補完AI”というよりは、
「商品画像」や「風景」「人物」といった 目的別のAIプリセット を選ぶ形です。
- 商品画像はコントラスト強調+背景クリーンアップ
- 風景は色味と明るさ補正
- 人物は肌補正と解像感UP
使うとどうなる?
→ EC画像、SNS用の写真、LP素材などが、“いい感じに整った”見栄えに!
クラウドで簡単に使用できる→Let’s Enhance公式サイト
Real-ESRGAN の仕組み―敵対的生成ネットワーク(GAN)+実写に強いモデル
Real-ESRGAN(リアル・イーエスアールガン)は、もともと「ESRGAN」という高画質化AIの進化版です。名前の「Real」は「リアルな(自然な)」質感を重視している、という意味。
- GAN(敵対的生成ネットワーク) というAI手法を使っていて、
「ぼやけた画像」から「本物っぽく鮮明な画像」を再構成します。 - ノイズやぼやけを除去しつつ、破綻の少ない自然なディテールを追加します。
- 特に「顔」「人物」「風景」などに強いです。
使用ツールの選び方
状況 | おすすめの手法 |
---|---|
一部が壊れている・変形している | 画像補完(RestoreFormerなど) |
全体的に荒い・ぼやけている | 高画質化(Real-ESRGANなど) |
小さい画像をサイトで使いたい | 高画質化+AI補正 |
顔や手を自然に修正したい | 画像補完が有効 |
AI画像補完&高画質化ツール比較表
ツール名 | 得意な補完範囲 | 特徴 | 対象画像 | 操作難易度 | 商用利用 |
---|---|---|---|---|---|
RestoreFormer | 顔の細部 | 低解像度の顔を自然に復元 | 顔写真 | ★★☆☆☆ | 〇 |
CodeFormer | 顔の構造・輪郭 | 顔の美化+構造補完、理想顔に近づける | 顔写真 | ★★☆☆☆ | 〇 |
GFPGAN | 顔全体+背景ノイズ | 全体的な補完力が高く、速度も速い | 顔+風景 | ★★☆☆☆ | 〇 |
Topaz Gigapixel AI | 解像度&ディテール | 拡大しても高画質を保てる | 写真・イラスト | ★★★☆☆ | △(要確認) |
Photoshop 生成塗りつぶし | 背景・構図・細部補完 | 欠損や構図変更など万能。操作に幅あり | 全体 | ★★★★☆ | 〇 |
今は、使いづらい素材を補完して「ちゃんと使える素材」に変えることが可能です。



今回の2つの補完テクを知っておけば、今後のサイト制作・SNS運用・LPづくりでもかなり使える武器になりますよ!

