GFPGANのインストール方法とReal-ESRGANとの併用

GFPGANとは?
GFPGANは、AIの顔修復モデルとして一時期バズりましたが、
**「実物と全然違う顔になる」**というある意味での“炎上”も経験しました。
ネットでは「GFPGANが盛りすぎて詐欺になる」とまで言われ、
開発者が「あくまで元に近づけるための技術であって、美化目的じゃないです!」と
フォーラムで説明したことも話題になりました。
そんなGFPGAN(Generative Facial Prior GAN)は、顔画像に特化した、顔復元のためのツールです。
リアルな仕上がりで古い写真の再生に最適なツールです。
顔以外の修復にはReal-ESRGANを併用して行います。
今回は、コマンドプロンプトで使用する方法について、解説します。
用途:顔画像の修復・補完
特徴:
- 古い写真や低解像度の顔画像を高精度に修復
- 目、口、鼻などの顔の特徴を自然に再現
- 顔に特化した補完に優れており、ポートレートの復元向き
- 例:ぼやけた顔写真の鮮明化、ダメージ修復
GFPGANは画像補完に特化し、コマンドプロンプトでスムーズに動きます。
その他のAI画像補完ツールについてはコチラのページで紹介しています。


Real-ESRGANと併用すると最強!
GFPGANで顔を修復し、Real-ESRGANで全体を高解像度化することで、写真全体の品質を大幅に向上させることが可能です。
使い分けのポイント
- 顔中心ならGFPGAN
- 全体の画質向上ならReal-ESRGAN
Real-ESRGANとは?
(Enhanced Super-Resolution GAN)
用途:画像全体の高解像度化
特徴:画質の向上
例:イラスト、風景写真の高精細化、テキスト画像のクリア化
GPU版PyTorchのインストールを推奨
GFPGANとReal-ESRGANの違い
GFPGANとReal-ESRGANは、どちらも画像補完・高画質化を行うAIモデルですが、役割と特徴が異なります。以下にそれぞれの違いを簡潔に説明します。
特徴 | GFPGAN | Real-ESRGAN |
---|---|---|
主な用途 | 顔画像の修復・補完 | 画像全体の高解像度化・拡大 |
強み | 顔のディテール再現、自然な補完 | あらゆる画像の高精細化が可能 |
弱点 | 顔以外の修復は不得意 | 顔の修復精度はGFPGANに劣る |
使用シーン | ポートレート修復、古い写真復元 | 風景、イラスト、テキスト画像拡大 |
Real-ESRGANとGFPGANを併用する方法や、Real-ESRGANやGFPGANをGUIで使えるツールなどについては、
こちらの記事で紹介しています。


GFPGANをコマンドプロンプトで使用する方法
このコードは、次の環境で実行できます。
- Linux(Ubuntu、Xubuntuなど)
- macOS
- Windows(WSL:Windows Subsystem for Linuxを使うと便利)
- Dockerコンテナ(AIツールのセットアップが楽になる)


準備するもの
- Python環境(Python 3.8以上推奨)
- Git(リポジトリをダウンロードするため)
セットアップ手順
- PythonとGitがインストールされているか確認
コマンドプロンプトで以下を実行し、バージョンが表示されればOK。
python --version
git --version
もし未インストールなら、以下からダウンロード・インストールしてください
- GFPGANをダウンロード
GitHubからGFPGANのソースをダウンロード
git clone https://github.com/TencentARC/GFPGAN
cd GFPGAN
- 必要なパッケージをインストール
pip install -r requirements.txt
- モデルファイルをダウンロード
python download.py
画像補完を実行
例えば、input.jpg
という画像を補完したい場合は以下を実行。
python inference_gfpgan.py --input input.jpg --output output.png
input.jpgを補完し、output.pngという名前で保存されます。
補完後の画質を向上させたい場合
- 超解像:Topaz Gigapixel AIやReal-ESRGANを活用
- ノイズ除去:AIベースのDeNoiseツールを使用
- 追加補正(Photoshopなどで微調整)
画像補完のその他の手段
最後までお読みいただきありがとうございました。今回ご紹介したGFPGANは、顔の補正、特に不鮮明な画像を鮮明にする事に特化したツールですが、他のアプローチで、画像の一部(もしくは、一部を残して)生成する方法を 下の記事の中でもご紹介しています。ぜひ一度お試しください。

