【rclone(アールクローン)】の使い方・クラウドとローカル間で【ファイル転送・同期・バックアップ】を行う方法

rcloneとは、クラウドストレージとローカル/サーバー間で、ファイルをアップロード/ダウンロード/同期/暗号化などができるツールです。
ローカル ↔ クラウド間をシンプルなファイル操作で扱う事が出来ます。
本記事では、ローカルPCとGoogle DriveとクラウドGPUの”RunPod”(AI作業環境)を例に、rcloneを使用する方法を解説しています。


主な対応クラウド
- Google Drive(無料で15GBまで使える)
- Dropbox
- OneDrive
- Mega
- Amazon S3
- pCloud
- WebDAV(Nextcloudなど)
- FTP / SFTP
- Hugging Face Datasets など…
使用例:rclone の活用シーン
RunPod × rclone の活用
rclone は、Google Drive や Dropbox など、さまざまなクラウドサービスとローカルフォルダをつないで、ファイルのバックアップや同期を自動化できる、コマンドライン操作の“便利な橋渡し役”です。具体的には、以下のような使い方も出来ます。
やりたいこと | 方法 |
---|---|
ローカルPC → RunPodに画像を送る | ローカル→Google Drive→RunPodでダウンロード(rclone) |
RunPodで学習したLoRAモデルを保存 | RunPod→Google Driveへアップロード(rclone) |
複数ファイルを一括同期で常に最新状態に保つ | rclone sync で対応可能 |
モデル・データの管理・バックアップに
- LoRAモデルや画像セットをGoogle Driveへ定期バックアップ
- 学習済みモデルをOneDriveなど他クラウドへ二重保存
- DropboxやMEGAなど複数クラウド間のファイル移動もOK
バックアップ先としても rclone
がおすすめな理由
CLIベースで高速・自動化しやすい
コマンドで一発バックアップ
スクリプト化して定期実行も可能(学習後に自動バックアップも◎)
簡単に導入できる
クラウド環境(RunPodのPod内)で rclone config
を使って接続設定できる
永続ボリュームと連携すれば、Podを停止しても設定は残せる
複数デバイス間の連携に
- 自宅PCとノートPC間でLoRAフォルダを同期
- モバイルで確認用に画像だけGoogle Driveへアップ(例:iPhone → Drive → PC)
スケジューラーで定期実行(自動化)
- タスクスケジューラやcronで、夜間に同期を自動化
- 毎日決まった時間にLoRAやプロジェクトファイルをクラウドに保存
Linux・WSL環境での運用にも
- LinuxベースのKaggleノートブックやGoogle Colabでも同様に使用可能
- WSL上でのrclone操作で、WindowsとLinuxの橋渡しも可能
クラウド→クラウドの転送にも対応
- Google Drive → Dropboxへ直接転送
- MEGA → OneDriveなどもAPI認証だけで可能
他の選択肢と比較
バックアップ手段 | 特徴 | rcloneとの比較 |
---|---|---|
Google Driveに直接ブラウザからアップ | 手軽だが手動で面倒 | ❌ 自動化できない |
scpやrsync(ローカルに転送) | SSH経由で使える | ❌ ルートアクセスや手間が必要 |
GitHubやGit LFS | 画像やモデルの保存には不向き(容量制限) | ❌ データ量が多いと厳しい |
rclone | ストレージ選ばず自動化・大容量OK | ✅ 最適解 |
おすすめの使い方(例:Google Driveにバックアップ)
rclone config # 初回設定(Google Driveなどと接続)
rclone copy /path/to/your/lora_model gdrive:RunPodBackup/LoraModels
※gdrive:
はrcloneで設定したリモート名です。自由に名前付け可能。
RunPod × rclone は相性抜群で、自動化しやすく学習後の保存にも最適な上、永続ボリュームを活用すれば設定も維持可能なので、もっとも使いやすいバックアップ手段だと言えます。



ここからは、Google Driveを例にローカルからクラウドへアップロードする手順を解説していきたいと思います。
ローカルからクラウドへアップロードする手順
① rclone
のダウンロード(ローカルPC)
先ずは、公式サイトからZIPをダウンロードし展開しましょう。
- rclone公式サイト から ZIP をダウンロード
- ZIPを展開し、
rclone.exe
を任意のフォルダ(例:C:\rclone
)に置いておきますrclone.exe
を使うだけでOK(インストール不要)


rcloneのzipについての詳細はこちらをCLICK!
rcloneで使用するZIPファイル(rclone本体)は、お使いのOSとCPUアーキテクチャに適したバージョンを選ぶ必要があります。
rclone ダウンロード時に選ぶポイント
1. OSの種類
- Windows
- macOS
- Linux
- FreeBSD など
2. CPUアーキテクチャ
確認方法:「スタート」→「設定」→「システム」→「バージョン情報」「システムの種類」参照
- 64bit(amd64) ← 多くの現代のPCはこれです
- 32bit(i386)
- ARM(Raspberry Piや一部のMac/モバイル)
ファイル名 | 内容 | 必要か? |
---|---|---|
rclone (拡張子なし) | Linux/macOS用ファイル。Windowsでは不要 | 削除OK |
rclone.1 (.exe.1 と見えるかも) | Linuxマニュアル用。Windowsでは不要 | 削除OK |
README.txt | 簡単な説明文(テキスト形式) | 興味があれば読んでもOK |
README.html | 同じく説明文(ブラウザ用) | 削除OK(オンラインでも見られます) |
git-log | 内部的な変更履歴やバージョンログ | 削除OK |
確認
Windows Terminal
で、cmd
または PowerShell
を開いて、rcloneが使えるか確認してみましょう。
ターミナル(Windows Terminal)コマンドプロンプト、PowerShell、の開き方
Windowsの場合は、(※Windows Terminal)を開きます。
※Windows Terminal(ウィンドウズターミナル)の起動方法…
コマンドの実行は、Windows標準の「Windows Terminal」を使って行います。
(※コマンドプロンプト(cmd)やPowerShellでも同様に動作しますが、Windows Terminalの方が操作しやすくおすすめです。)
コマンドプロンプト(Command Prompt)とは、Windowsに搭載されているテキストベースのインターフェースです。マウス操作ではなく、キーボードからコマンド(指示)を入力することで、パソコンを操作できます。
Windows Terminal起動方法
- スタートメニューで、左クリック➡ターミナルを起動もしくは、「Windows Terminal」と検索して起動
- デフォルトでは PowerShell または Command Prompt(cmd)(又は、WindowsPowerShell)が開きます
画像生成用途の場合は、Command Prompt コマンドプロンプト(CMD)と相性が良いです。
※詳しい使用方法や、Windows Terminalの設定方法は、こちらの記事をご覧ください。
Windows Terminalは、タブを切り替えて複数のシェルを使う事が出来ます
- 上部の
+
ボタンから新しいタブを開けます - PowerShell
- Command Prompt
- WSL(Linuxサブシステム)※インストール済みなら
- Azure Cloud Shell(必要な場合)
をクリックすると以下の選択肢があります
※Microsoft 公式も「Windows Terminal」を推奨しているため、当サイトでも記載するWindowsのコマンド実行場所を、コマンドプロンプト(cmd)から「Windows Terminal」に変更致しました。
コマンド入力は間違えるとエラーになることもありますが、慣れると素早く作業ができる便利なツールです。
Macの場合は、(※ターミナル)を開きます。
※ターミナル(Terminal)の起動方法…
Macには「ターミナル(Terminal)」というアプリがあり、これを使うことで、コマンドを入力してシステムを操作できます。
ターミナル起動方法
- **「Command ⌘ + Space」を押して、「Spotlight検索」**を開く
- 検索バーに「ターミナル」と入力してEnter
または、以下の手順でも開けます:
アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル
※Linux のターミナルの起動方法…
Linuxでは「ターミナル」が、コマンド操作の基本です。ウィンドウの中でキーボード入力によりシステムを操作します。
Linuxターミナル起動方法
- 1,:
Ctrl + Alt + T
を同時に押す(多くのLinuxディストリビューションで共通) - 2,:アプリケーション一覧から「ターミナル」または「Terminal」で検索して開く
Ubuntu、Fedora、Debianなど、ほとんどのLinux環境に標準で搭載されています。
Macのターミナルと似た雰囲気で、コマンドの使い方もほぼ共通です。
※PowerShell の起動方法…(Windows)
PowerShell(パワーシェル)**は、Windowsに標準搭載されている、より高度な操作ができるコマンドラインツールです。見た目はコマンドプロンプトと似ていますが、より多機能で、プログラミング的な処理も得意です。
PowerShell起動方法
1,スタートメニューで「PowerShell」と検索してクリック
2,Windowsキー + R を押して「powershell」と入力 → Enter
コマンドプロンプトと同様、キーボードからコマンドを入力して操作します。
たとえば Get-ChildItem
(=フォルダの中身を見る)など、PowerShell独自のコマンドもありますが、通常のコマンド(例:cd
やpython
など)も使えます。
※コマンドプロンプト(cmd)の起動方法…(Windows)
Windowsキー + Rを押す
「cmd」と入力してEnterを押す
または、スタートメニューで「コマンドプロンプト」と検索してもOK!
ターミナル(Windows Terminal)を開き、”○○○(ツール名)”と打ち込むと呼ぶ出してくれます。
C:\rclone\rclone.exe version
このコマンドをターミナルにコピペして下さい。


万が一、rcloneが呼び出されない場合は、OSとCPUアーキテクチャを再確認して、ダウンロードからやり直してみて下さい。
ZIPファイルを解凍後、C:\rclone
フォルダの中にrclone.exe
を置きましょう。
② Google Driveをrcloneに登録
rclone config 対話メニュー
以下のコマンドで設定を開始します。コマンドをコピペして進めて下さい。
C:\rclone\rclone.exe config


1.n
を入力(新しいremoteを作る)


2.名前を入力(例:gdrive
)名前(リモート名)についての説明は、コチラをClickしてください!(このページ内の少し下の項目にジャンプします。)


3.「Storage type」は 今回は、drive
を選びます(Google Drive) 61の選択肢があります。


4.「client_id / client_secret」は空 EnterでOK(標準設定)


5.「scope」は 1
(full access)を選択
6.「root_folder_id」や「service_account_file」も EnterでOK
7.「auto config」は y
を選ぶ(ブラウザが開いてGoogleログイン→許可)
上記以外のメッセージが出た場合はこちらもご確認ください
Edit advanced config?」と出た場合 通常はn
を選択
「auto config 」が表示されないのは、対話メニューの途中の手順が少し異なっているバージョンか、非GUI環境(例:リモート環境やWLSなど)で動作していることが原因です。
Use web browser to automatically authenticate rclone with remote?Say Y if the machine running rclone has a web browser you can use Say N if running rclone on a (remote) machine without web browser accessIf not sure try Y. If Y failed, try N.というメッセージが出た場合
ローカルPCで操作中(例:Windows)の方は
サーバー・RunPodなどブラウザ非対応の環境の方はn
This value must be a single character, one of the following:y,n.というメッセージが出た場合rclone config の対話メニューで「yes / no」の入力に対して、yes
や no
と フルで入力したため、rclone が “y” か “n” のどちらか1文字で入力してねと言っている状態です。
ここで設定する「リモート名」(例:gdrive
)について
リモート名とは、実際には アカウント名でもユーザー名でもなく、「ニックネーム」や「ラベル」 のようなものです。
rclone
では複数のクラウドサービスやアカウントを使い分けられるように、
それぞれの接続設定に「名前(リモート名)」をつけます。
リモート名 | 実際のサービス | 意味 |
---|---|---|
gdrive | Google Drive アカウント1 | 「この設定はGDriveアカウント1用」と覚えるための名前 |
gdrive_work | Google Drive アカウント2 | 仕事用として別設定 |
dropbox | Dropbox アカウント | Dropbox用設定 |


このページに飛んだら、このままご自身の任意のアカウントを選択して進んでください。


成功と出れば設定が完了し、トークンが発行されます。
設定完了後の設定


Configure this as a Shared Drive (Team Drive)?
個人で Google Drive を使っていて、「マイドライブ」をバックアップ先に使いたい場合n
場合
Keep this “あなたのリモート名” remote?通常は → y
でOKです!
設定をもう一度編集したい場合や削除したい場合はe
かd
を選択してください。
remotes | 意味 |
---|---|
e | 既存のリモートを編集(Edit)します。すでに設定した内容を変更したいときに使います。 |
n | 新しいリモートを作成します(New)。新しく Google Drive や Dropbox などのストレージ設定を追加したいとき。 |
d | 既存のリモートを削除します(Delete)。不要になった設定を消すとき。 |
r | リモート名を変更します(Rename)。例:gdrivesakasa → mydrive |
c | リモート設定を複製します(Copy)。同じ設定で別名のリモートを作りたいとき。 |
s | 設定ファイルにパスワードをかける(Set configuration password)。セキュリティ強化目的。 |
q | 設定を終了してメニューを出る(Quit)。設定を保存して終了します。 |
Current remotes Google Drive の設定が完了し、問題がなければq
を押して終了します。
※環境変数は、一部反映に再起動やログインし直しが必要なことがある為、このままアップロードに進む場合は、ここで一旦再起動をしてください。(このまま進むとパスが通らない事が多いです!)
次回以降はこのようにして使えます
rclone copy C:\AI\LoRA\ あなたのリモート名:LoRA
このコマンドで、C:\AI\LoRA\
内のファイルを Google Drive 上の LoRA
フォルダへアップロードします。
※ rcloneのコマンドはWindowsのコマンドプロンプト(cmd)でも使えるコマンドです。
Bash(LinuxやWSL、Macなど)でも同様の書き方で使用できるクロスプラットフォーム対応です。
③ファイルをアップロードする
おすすめのフォルダ構成
ダウンロードした Stable Diffusionのモデルファイル(例:.safetensors
など) や画像・テキストファイルは、自分で決めた作業フォルダに移動しておき、そのフォルダの「パス」を使って、rclone
のコマンドやRunPodへのアップロードを行います。
モデルファイルのダウンロードについては、
こちらの記事で詳しく解説しています。

ファイルをアップロードする際のポイントは、ファイルでは無く、フォルダ(親フォルダ)のパスを追加する事です。フォルダをクリックして”パスのコピー”をすると、入力ミスも防ぐ事が出来ます。


C:\AI\
├── LoRA\ ← 同期したいファイルだけを入れておく
│ ├── model1.safetensors
│ ├── model2.safetensors
│ ├── notes.txt ← 同期したくない場合は .rcloneignore で除外
│ ├── art.img ← ↑ 同上
├── rclone\ ← rclone.exe などの操作系
├── $Recycle.Bin\ ← 無視してOK
├── other_files\ ← 同期対象外
上記のように、自分用に決めた「プロジェクト用フォルダ」にまとめておくと、今後の作業(学習・バックアップ・アップロード)がスムーズになります。又、Google Drive 側の保存先も整理しておくと、あとで管理しやすいです。
アップロードするファイル名に使えない・避けた方がよい文字
記号 | 理由 |
---|---|
\ | パス区切りと認識される |
/ | パス区切りと認識される |
: | Windowsでドライブ指定などに使われる |
* | ワイルドカードとして使われる |
? | クエリ文字・ワイルドカードになる |
" | 文字列の囲いと認識される可能性 |
< / > | 不等号として解釈される |
` | ` |
安全なファイル名の構成
- 半角英数字(a〜z, A〜Z, 0〜9)
- ハイフン( – )やアンダースコア( _ )
- 拡張子は .jpg / .png / .txt / .safetensors など明確に
例:
my_artwork_001.jpg
lora_model_v1.safetensors
tags_abstract_01.txt
ファイル名のおすすめルール
- 英語で分かりやすく
- 一貫性を保つ(例:
作品名_番号.拡張子
) - 空白(スペース)はアンダースコア
_
にすると無難 - 日本語ファイル名はクラウドやコマンドラインで文字化けすることがあるため 避けた方が安全
オプション例
--progress
:進捗表示--dry-run
:実際にはコピーせず動作確認--update
:更新されたものだけアップロード--bwlimit 2M
:転送速度制限(例:2MB/sec)
特徴 | 説明 |
---|---|
コマンド1つでアップロード | フォルダ単位で一発転送 |
スクリプト化・自動化も簡単 | bat やshell で定期バックアップ可 |
複数クラウドに対応 | Google Drive以外も同じ手順でOK |
インストールも軽量で簡単 | ポータブルに使える(特にWindows) |
Google Driveでフォルダを作成する方法(事前準備)
※Google Drive はときどき表示や操作にバグが出ることもあるので、操作が上手くいかなくても、
焦らずリロードや時間をおいて対応してみて下さい。
rcloneでGoogle Driveへアップロードする前に、Google Drive上にフォルダを事前作成しておくことで、スムーズにバックアップや同期ができます。以下に、Google DriveのWebブラウザ上でフォルダを作成する方法について説明します。
手順(PCブラウザから)
- Google Driveにアクセス
https://drive.google.com にアクセスし、Googleアカウントでログインします。 - 左上の「+新規」ボタンをクリック
左側サイドバー上部にある「+新規」ボタンを押します。 - 「フォルダ」を選択
表示されたメニューの一番上にある「フォルダ」を選択します。


4.フォルダ名を入力


例:LoRA_Backup
や RunPod_Backup
など、わかりやすい名前にしておくと便利です。
5.「作成」ボタンを押す


これでGoogle Drive上に空のフォルダが作成されました。
フォルダの確認・ID取得(必要な場合)
rcloneでそのフォルダを直接指定してアップロードしたい場合は、フォルダのIDが必要になることがあります(Team Driveや細かい制御をしたいときなど)。
フォルダIDの確認方法
1,作成したフォルダをダブルクリックで開く
2, ブラウザのURLバーを確認
https://drive.google.com/drive/u/0/folders/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
※XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
がフォルダIDです
【rclone】でそのフォルダにアップロードする方法(例)
方法①:ターミナル(コマンドプロンプト)で実行する
ここでの注意点は、パスの入力ミスに気を付ける事です。C:\Tools\rclone\
を入れたつもりが \
抜けやスペルミス。copy
と C:
の間に半角スペースが必要。
copy C:\AI\LoRA\ あなたのリモート名:LoRA_Backup
C:\AI\LoRA\
:あなたのローカルPC上のアップロードしたい対象フォルダあなたのリモート名
:あなたがrcloneで設定したリモート名LoRA_Backup
:Google Drive上に作成したフォルダ名(階層が合っていればOK)
パスがきちんと通っていればこの方法で一瞬でアップロードが完了します。
パスが通っているかの確認方法:ターミナル(コマンドプロンプト)でrclone version
を実行


この様にバージョン情報が表示されれば、パスが正しく通っています。
パスがとっていない場合は、以下の方法で実行してください。
方法②:rclone.exe
のあるフォルダでコマンドを実行する
一番簡単な方法です。
rclone.exe
があるフォルダ(例:C:\rclone\
など)を開く- アドレスバーに「
cmd
」と入力してEnterすると、その場所でコマンドプロンプトが開きます - そこで上記のようなコマンドを入力
方法③:rclone.exeのパスをシステム環境変数に追加する(今後ずっと使いたい方向け)
- Windowsのスタートメニューで「環境変数」と検索
- 「システム環境変数の編集」を開く
- 「環境変数(N)…」をクリック
- 「ユーザー環境変数」の中にある「Path」を選択して「編集(E)」をクリック
- 「新規(N)」で
rclone.exe
を置いたフォルダのパス(例:C:\rclone
)を追加 - OKで閉じて、新しく開いたコマンドプロンプトからもう一度試す
アップロードの確認


アップロードの確認
先程のGoogleDriveのフォルダをダブルクリックで開いて中に自分のPCで指定した対象フォルダがアップロードされていれば完了です。
基本コマンド
# リモート(例:Google Drive)を設定
rclone config
# Google Driveの「myfolder」からローカルにコピー
rclone copy gdrive:myfolder ./localfolder
# ローカルのフォルダをGoogle Driveへコピー
rclone copy ./localfolder gdrive:myfolder
# 双方向同期
rclone sync ./localfolder gdrive:myfolder
学習済みLoRAをGoogle Driveにアップロードする場合
C:\rclone\rclone.exe copy C:\LoRA\output\ gdrive:RunPodBackup/LoRA/
C:\LoRA\output\
:ローカルの学習済みLoRAフォルダ
gdrive:RunPodBackup/LoRA/
:Google Drive内の保存先
双方向も可能
ローカル → クラウドだけでなく、
クラウド → ローカル へのダウンロードも同じ要領です
rclone copy gdrive:RunPodBackup/LoraModels "C:\Users\yourname\Downloads"
すべて同期したい場合(例:LoRAフォルダだけ)
例:
rclone copy "C:\AI\LoRA" gdrive:/backup/LoRA
この場合、 notes.txt
や art.img
も一緒に同期されます。
同期コマンド例(.safetensors
だけ)
例:コマンドで直接拡張子を指定する(最も簡単)
rclone copy "C:\AI\LoRA" gdrive:/backup/LoRA --include "*.safetensors"
C:\AI\LoRA
:ローカルの対象フォルダgdrive:/backup/LoRA
:Google Drive 側の保存先(gdrive
は設定済みのリモート名)- ※(
gdrive
はrclone config
で設定したリモート名。)
- ※(
--include "*.safetensors"
:拡張子.safetensors
だけを同期
その他:.rcloneignore
複雑な除外ルールをファイルで管理したい場合に使用。
※OSや使うクラウドストレージによって一部コマンドや設定が異なることがありますが、rclone
自体はどの環境でも基本の使い方はほぼ共通です。ただし、以下の点に違いが出ます。
1. OSによる違い
OS | 違いのある部分 |
---|---|
Windows | パス表記に \ を使う(例:C:\Users\yourname\... ) |
macOS / Linux | パス表記に / を使う(例:/Users/yourname/... ) |
その他 | rclone 実行ファイルの形式(Windowsは rclone.exe 、Linux/macは rclone ) |
例:同じコマンドのOS別表記
Windows:
rclone copy "C:\Users\yourname\Lora" gdrive:RunPodBackup/Lora
macOS / Linux:
rclone copy "/Users/yourname/Lora" gdrive:RunPodBackup/Lora
2. クラウドストレージによる違い
rclone
は100以上のクラウドストレージに対応しており、たとえば次のようにクラウドごとに「remote名」や認証方式が違います
ストレージ | 例の remote 名 | 認証方式 |
---|---|---|
Google Drive | gdrive: | Google アカウント連携(OAuth) |
Dropbox | dropbox: | OAuth 認証 |
OneDrive | onedrive: | Microsoft アカウントで認証 |
Amazon S3 | s3: | APIキーとシークレットキー |
Hugging Face Spaces | SFTPなど経由で設定可能(やや特殊) |
設定は rclone config
で対話式に行います。
rclone
で バッチ(.bat)やシェルスクリプト(.sh) を使って定期バックアップする方法
rclone
は以下のようなクラウドストレージに対応しています(一部)
ストレージサービス | 備考 |
---|---|
Google Drive | 容量無料枠あり、人気 |
Dropbox | 容量制限あり |
OneDrive | Microsoftユーザー向け |
Amazon S3 | 高度な利用向け |
pCloud, Box, Mega.nzなど | 多数対応 |
定期実行する方法(Windows)
.bat
ファイルを作成- Windowsの「タスクスケジューラ」を開く
- 「基本タスクの作成」で実行タイミング(例:毎日22時)を設定
- アクション →
.bat
ファイルを実行
バッチファイル(Windows)の例
@echo off
rclone sync "C:\AI\LoRA" gdrive:/backup/lora --progress
このような .bat
ファイルを作って、タスクスケジューラなどで定期実行すれば、自動バックアップ環境ができます。
rcloneにおける「同期」と「バックアップ」の違い
用語 | 意味 |
---|---|
同期(sync) | ローカルとクラウドを「同じ状態に保つ」 例:ローカルで削除されたらクラウド側も削除される |
コピー(copy) | ローカル → クラウドに「上書き or 新規で追加」 ※削除されたファイルは残る |
バックアップ(広義) | 通常は「コピー」の方を指すことが多い ローカルで削除してもクラウドには残しておく |
rcloneで使う代表的なコマンド
操作内容 | コマンド例 |
---|---|
コピー(安全なバックアップ) | rclone copy "C:\AI\LoRA" gdrive:/backup/lora --progress |
完全同期(削除も反映) | rclone sync "C:\AI\LoRA" gdrive:/backup/lora --progress |
過去のLoRAファイルも残しておきたい場合copy
(上書き・追加のみ)
ローカルと完全に一致させたい
APIキーについて
【rcloneでGoogle Driveを使う場合】は基本的には不要です。ただし、「自分のGoogle APIキーを使うと制限緩和や安定性向上のメリット」があります。
通常の使い方(APIキー不要)
rclone の config
ウィザードを進めるだけで、Googleの標準クライアントID(共有)が使われます。
- 特に「APIキー」や「クライアントID」を自分で用意する必要なし。
- Googleアカウントで認証するだけで使える。
- 最も簡単な方法(初心者におすすめ)。
APIキーやクライアントIDを使うパターン(中・上級者向け)
メリット
- 転送速度・リクエスト数の制限を自分専用のAPI枠で処理できる。
- Googleが用意した「共用のクライアントID」は他の人とも共有 → 使用量制限に引っかかることがある。
必要なもの
- Google Cloud Console アカウント
- 自分のプロジェクトを作成
- Drive API を有効化
- OAuthクライアントID と シークレット を取得
→ これを rclone 設定時に手動で入力します(client_id
, client_secre
まとめ
rcloneの設定はうまくいきましたでしょうか?
これで、Google Driveとの連携もバッチリです。今後は、日々の作業を自動化したり、クラウドGPU環境と連携して画像生成のワークフローを効率化することも可能になります。
興味がある方は、次の記事「RunPodを使ってクラウドGPUで画像生成する方法」もぜひご覧ください!

