オープンソースAI




オープンソース(Open Source)は、ソフトウェアのソースコードを一般に公開し、誰でも自由に利用・改変・再配布できる仕組みのことだよね。



ええ、そうね。しかし、最初のコンピュータが登場した頃には、ソフトウェアは基本的に無料で公開されていたのよ。



1970年代後半から商業ソフトウェアが発展して、
ソースコードが非公開になる流れになったのよね?



では、オープンソースの歴史を振り返ってみましょう!
オープンソースの解説だけが知りたい!という方は
こちらから先回りできます。
オープンソースの歴史
🔹 1960〜1970年代:自由なソフトウェアの時代
最初のコンピュータが登場したころ、ソフトウェアは基本的に無料で公開されていました。特に、学術機関や研究機関では、プログラムのソースコードを共有するのが当たり前でした。
- 1969年:AT&TがUNIXを開発。最初はソースコードが大学などに自由に配布されていた。
- 1970年代:ARPANET(後のインターネットの原型)の開発が進み、研究者同士のソフトウェア共有が活発化。
🔹 1980年代:フリーソフトウェア運動の誕生
- 1983年:リチャード・ストールマン(Richard Stallman)が「GNUプロジェクト」を開始。UNIX互換の自由なOSを作ることを目指し、のちに「フリーソフトウェア運動」が始まる。
- 1985年:フリーソフトウェア財団(FSF: Free Software Foundation)設立。自由なソフトウェアを守るための活動が本格化。
- 1989年:「GNU General Public License(GPL)」が発表。ソフトウェアの自由な利用・改変・配布を保証するライセンスとして重要な役割を果たす。
この時代は「フリーソフトウェア(Free Software)」という名称が主流で、「自由(Free)」の意味が強調されていました。
🔹 1990年代:オープンソースの誕生とLinuxの台頭
- 1991年:リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)がLinuxカーネルを開発し、インターネット上で公開。
- 1993年:Debianプロジェクト開始(フリーソフトウェアの代表的なLinuxディストリビューション)。
- 1998年:「オープンソース(Open Source)」という言葉が生まれる。
「フリーソフトウェア」という名称は「無料」と誤解されやすかったため、「オープンソース」 という新しい言葉が提案されました。これにより、企業や商業ソフトウェア業界でもオープンソースの考え方が受け入れられやすくなりました。
- 1998年:オープンソース推進団体「Open Source Initiative(OSI)」が設立される。
🔹 2000年代:オープンソースの商業化と普及
この時期から、オープンソースソフトウェア(OSS)が企業にも広く受け入れられるようになりました。
- 2001年:Apache Web Serverがインターネットサーバーの標準として普及。
- 2004年:Ubuntu Linuxが登場し、使いやすいオープンソースOSとして広まる。
- 2008年:GoogleがAndroid OSをオープンソースとしてリリース。
- 2010年代:MicrosoftやIBMなどの大手企業もオープンソースプロジェクトに積極的に参加。
🔹 2020年代:クラウドとAIのオープンソース化
現在、オープンソースはクラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術分野でも重要な役割を果たしています。
- 2020年:GitHub Copilot(AIコード補助ツール)発表。
- 2021年:Facebook(現Meta)がオープンソースAIフレームワーク「PyTorch」を発表。
- 2023年以降:生成AI(Stable Diffusion, Llama 2など)のオープンソースプロジェクトが急成長。
今やオープンソースは単なるソフトウェア開発の方法論を超え、技術革新の中心的な存在になっています。
1960〜70年代 | 自由にコード共有する文化 |
1980年代 | フリーソフトウェア運動の誕生(GNU, GPL) |
1990年代 | Linuxの登場と「オープンソース」の概念確立 |
2000年代 | 企業の採用が進み、商業的に普及 |
2010年代以降 | クラウド、AI、IoTなどの分野で拡大 |



オープンソースは今後も、ソフトウェア開発だけでなく、AIやハードウェア、教育などさまざまな分野で影響を与え続けるでしょうね



企業の考え方も見えてくるな・・・
オープンソースAIとは?
オープンソースのAIとは、ソースコードが誰でも自由に使用、変更、配布できるAIテクノロジー(科学技術の中の人工知能技術)です。



オープンソースのAIには、いくつか種類があるんでしょう?



1️⃣ AIモデル(事前学習済みモデル → すぐに使える)
2️⃣ AIライブラリ(モデルを活用するためのツールセット)
3️⃣ AIフレームワーク(モデルを開発・学習させる環境)
4️⃣ AIデータセット(AIを学習させるためのデータ集)
があります。
これらを組み合わせることで、より高度なAIシステムを開発できるの。



…AIがAIを進化させているってこと?



まだそこまでではなないのよ。倫理的な問題などがあるみたいね。でもAIがAIを設計・改良する技術”オートML”などはあるのよ。
長くなりそうだから、今は割愛するわね。
【オープンソースのAIモデル】
【オープンソースのライブラリやフレームワーク】
TensorFlow、PyTorch、Scikit-learn、Hugging Face Transformers、Keras、MXNet、Microsoft Cognitive Toolkit、Chainer、Eclipse Deeplearning4j、 Cafe。
【オープンソースのデータセット】ImageNet、 Common Crawl。



沢山出てきたね(…汗)横文字で少しクラクラしてきた。
ーところで、ソースコードが非公開のソフトと、オープンソースのソフトはどちらが多いの??



2025年時点では、用途や業界によるけれど、
以下のような傾向があるわ。



オープンソースのソフトを作ってる会社の信念みたいなものに惹かれる…



発想が未来的だよね
🔹 全体の傾向:オープンソースが増加中
一般ユーザー向けのアプリケーションは非公開が多い
企業の内部システムではハイブリッド型(OSS + 独自開発)が増加
オープンソースは増加し続けていますが、非公開のソフトウェアが完全になくなることはない というのが現状です。
🔹 分野ごとの比較
分野 | オープンソース優勢 | 非公開ソフト優勢 |
---|---|---|
OS(オペレーティングシステム) | ✅ Linux, Android, FreeBSD | ❌ Windows, macOS |
サーバー・クラウド | ✅ Apache, Nginx, Kubernetes | ❌ Amazon Web Services (AWS), Google Cloud |
AI・機械学習 | ✅ TensorFlow, PyTorch, Stable Diffusion | ❌ OpenAI GPT-4, Claude (Anthropic) |
オフィスソフト | ✅ LibreOffice, OnlyOffice | ❌ Microsoft Office, Google Docs |
ブラウザ | ✅ Firefox, Chromium | ❌ Safari, Edge (一部OSSベース) |
モバイルアプリ | ❌ Google PlayやApp Storeのアプリはほとんど非公開 | |
ゲーム | ❌ 大手メーカーのゲームはほぼ非公開 |



技術者が使う基盤となる技術(OS, AI, クラウド)はオープンソースが主流らしいね。



私たちが使うアプリや商用ソフトは非公開が多いよね。
🔹 企業の姿勢の変化
2000年代までは「非公開が主流」 でしたが、現在は「オープンソース + 独自開発」のハイブリッド型 が増えています。
例えば、Microsoftは昔は非公開主義でしたが、現在は GitHubを買収し、Linuxカーネルに貢献するなどOSSを積極的に活用 しています。
Meta(旧Facebook) → PyTorch, React などOSSをリリース
Microsoft → .NET, VS Code, WSL(Windows Subsystem for Linux)をOSS化
一方で、OpenAI(GPT-4)やApple(macOS, iOS)は非公開を維持 しており、すべての企業がオープンソース化しているわけではありません。
🔹 用途によるが、オープンソースが増え続けている
現在、
技術基盤(OS, クラウド, AI, 開発ツール)はオープンソースが主流
エンドユーザー向けのソフト(アプリ, 商用ゲーム)は非公開が多い
企業のシステムはオープンソース + 独自開発のハイブリッドが主流
今後もオープンソースの影響力は拡大すると考えられますが、非公開のソフトウェアも一定の需要があるため、両者が共存し続ける でしょう。