画像生成AIでキャラクターの顔を維持しつつ、再生成したい時

画像生成AIでは、”同じキャラクターの顔を維持しつつ、他の構図に変更する”指示を出すのはとても難しいですが、いくつかの方法で近づけることは可能です。
今回は、”顔を維持”するという事に焦点を当てて、画像生成AIを比較しつつ、顔を維持しつつ、他の構図に変更する方法をいくつかご紹介します。


キャラクターの一貫性を保てる画像生成AIは?
そろそろ”顔を維持しつつ、他の構図に変更”出来るツールが欲しいと感じる、今日この頃。
それでも地道に、画像生成、画像編集。
強い味方、AIへ投げるプロンプト。ーーー”顔を維持しつつ、他の構図に変更してほしい”と頼んだはずが、出てきたのは・・・しかし、気を取り直して、もう一度確認してみましょう。
結局、どのAIが一番制御しやすいのか?
AIモデル | キャラの一貫性 | 制御のしやすさ | おすすめ用途 |
---|---|---|---|
Leonardo.Ai | ◎(専用機能あり) | 簡単 | ゲーム・アニメキャラの継続生成 |
Stable Diffusion(ControlNet + LoRA) | ◎(訓練すれば可能) | 上級者向け | カスタムキャラ・オリジナル作品 |
Midjourney | △(再現度は低め) | 普通 | クリエイティブなスタイル・背景重視 |
DALL·E | ◯(Inpainting活用) | 初心者向け | 画像の修正・編集 |
Leonardo.Ai(レオナルドAI)
- 特徴: 「Character Consistency」機能を搭載(プロバージョン)
- 方法:
- 参照画像をアップロード(Reference Image)
- 「Character Consistency」をONにする
- 同じキャラの異なるポーズを生成可能
Stable Diffusion(ControlNet + LoRA)
- 特徴: モデルをカスタマイズすることで、一貫性のあるキャラを再現
- 方法:
- ControlNet(ポーズを固定)を活用
- LoRA(特定キャラを学習)で独自のキャラを再現
- DreamBooth(カスタムトレーニング)で特定キャラをより高精度に維持
Midjourney
- 特徴: バージョン6でキャラクターの一貫性が向上
- 方法:
- 「Image Reference」 を使用(画像URLをプロンプトに追加)
- 同じ構図・スタイルで再現を試みる
- ただし、完全に一致させるのは難しい
DALL·E(OpenAI)
- 特徴: 「Inpainting(編集機能)」を活用してキャラを部分修正可能
- 方法:
- 一度生成したキャラの一部を編集し、新しいポーズや服装を変更可能
- ただし、細かい制御は難しい



うーん、やっぱりカスタムしかないか…



今回はカスタムではない方法を探りましょう!
画像生成AIの全般的な方法
方法1【王道】:Image-to-Image(画像を元に生成)
恐らく画像生成AIユーザーが真っ先に試す方法。
- 元の画像をアップロード → 「Image-to-Image(ControlNet)」を使う
- プロンプトを工夫
- 「same face as the reference image, full body, running from distance, flowing white dress」
- 「dynamic motion, cinematic lighting, soft focus, dreamy atmosphere」
など
- 設定
- **Image Guidance Strength(画像の影響度)を低め(0.3~0.5)**にすると、顔が維持されやすい
- **Pose Control(ポーズ制御)**があるなら「ランニング姿」のガイドを設定
方法2:キャラの特徴をプロンプトに細かく記述
顔を維持しにくい場合は、プロンプトで特徴を指定するとやや近づきますが…
加えて、Negative Promptに「deformed face, extra limbs, different face, bad anatomy」などを入れると、顔が崩れにくくなります。
方法3:Midjourneyで背景だけを生成する方法
方法1:プロンプトで「背景のみ」を明示する
Midjourneyでは、以下のようにプロンプトで明確に指定します:
ポイント:
- 「background」や「scenery」を強調
- 「no people」「no objects」などで不要要素を排除
- 必要に応じて –ar(アスペクト比) を使って横長・縦長に調整
方法2:ネガティブプロンプト(Niji・v6以降)
Midjourney v6からは「ネガティブプロンプト(不要なものを除外)」も自然に扱えるようになっています
misty mountains landscape background, no characters, no text, no animals --v 6 --ar 2:1
これにより、純粋な自然風景、都市風景、空、抽象背景などがキレイに出力されます。
方法3:被写体を小さくして背景を主役にする
どうしても「背景+人物」になるときは、以下のように構図で背景を主役に
a wide shot of a futuristic city skyline, with a very small figure in the distance --v 6 --ar 3:2
背景だけのプロンプト例
背景タイプ | プロンプト例 |
---|---|
空想的な森 | fantasy forest background, glowing plants, no people, no buildings --v 6 |
サイバーパンク都市 | cyberpunk cityscape background, neon lights, no characters, cinematic --v 6 --ar 16:9 |
星空・宇宙空間 | deep space galaxy background, stars, nebula, no spacecraft, no text --v 6 |
抽象背景 | abstract minimal background, soft gradient, pastel colors, no elements --v 6 |
注意点
- Midjourneyは構図を完全にはコントロールできないこともあるので、複数回生成して選別が必要です。
- 被写体を自動で切り分けて「背景だけ抽出」はできないので、あくまで「背景だけを生成する」形になります。
背景生成ができる人気AIツール一覧(2025年版)
ツール名 | 背景の種類 | 特徴 | 無料プラン |
---|---|---|---|
Adobe Photoshop(Firefly) | 写実/写真向け | 「生成塗りつぶし」で背景をAI生成。自然で高品質。 | 一部あり(Adobe CC契約必要) |
Canva(Magic Edit) | 写真/イラスト/SNS | 簡単操作で背景編集。SNSやプレゼン素材に最適。 | ◎(一部制限あり) |
Clipdrop by Stability AI | 写真/合成 | 背景削除、置換、補完など軽快。リアル寄り。 | ◎(制限付き) |
Remove.bg | 写真/人物用 | 超高速な背景削除特化。品質も高い。 | ◎(HDは有料) |
D-ID Creative Reality™ | 背景+顔アニメ合成 | 顔写真+背景をAIで作って、アバター生成も可能。 | △(体験あり) |
Fotor AI Background Remover | 写真/商品画像向け | EC用画像に最適。切り抜きや背景変更が得意。 | ◎ |
ZMO AI | モデル写真/ファッション | 人物写真の背景や衣装までAIで変更可能。 | ◎(プロ機能は有料) |
Leonardo.Ai | アート/幻想風 | Text-to-Imageで美しい背景生成が可能。スタイルも多彩。 | ◎(使用回数制限あり) |
Midjourney | アート/幻想風 | 高精細な幻想的背景が得意。Promptで完全生成。 | △(有料サブスクリプション) |
用途別おすすめ
写真をベースに背景を変更・削除したい場合
→ Remove.bg、Photoshop、Canva、Clipdrop
SNSやプレゼン資料、ポスター制作などに使いたい場合
→ Canva(Magic Edit)
→ Fotor(商用利用向け)
アートや空想的な背景を生成したい場合
→ Leonardo.Ai、Midjourney、Runway
機能別まとめ
機能 | 対応ツール例 |
---|---|
背景削除(切り抜き) | Remove.bg、Canva、Clipdrop、Photoshop |
背景を新たにAI生成 | Runway、Photoshop、Leonardo.Ai、Midjourney |
背景の一部を補完・修復 | Runway(Inpainting)、Photoshop、Clipdrop |
テキストから背景生成 | Runway、Leonardo.Ai、Midjourney、Canva |
背景or被写体:一部だけ切り抜いて生成する
- Runway:背景生成+人物切り抜きが得意
- Photoshop(Firefly):元の写真から背景だけ変更可能
- Leonardo.Ai:背景生成と合成が比較的簡単
Photoshopで編集を加える
最後のご紹介となりましたが、経験上、これが一番おすすめです。
Photoshopで削除ツールからの、生成塗りつぶしです。
一旦、低難易度のポーズはさほど変えず、それでいて衣服、もしくは髪型は変えたい場合についてです。


気に入らない箇所を、削除ツールを使用して少しずつ画像生成をするのがおすすめです。




プロンプトを入力して、生成。


※削除ツール段階での粗さはお許しください。
ポイントとしては、部分ごとの生成を段階を踏んでいく事で、完成度を上げる事が出来ます。
本当に顔パーツ以外変えたい!ポーズも変えたい!!という場合
そうですよね。少し保身に走っていましたが、最も難易度の高い顔のみ保持についてです。※事故が起こりやすいですので時間の余裕をもってお試しください。




ここからは、先ほどと同じ工程クイック選択ツール”で選択後、”編集”から”生成塗りつぶし”を選択し、プロンプトを入力して、生成。
背景を”

体の向きも変わっていますし、顔と首の境目も自然ですね。ただ、構図が変わらないという問題が残っています。
構図を大きく変えてい場合は、もう一工程必要です。


そして、くり抜いた顔を、ファイル書き出しWeb用に保存.pngで一旦、保存します。
Photshopファイルから新規作成で新しいファイルを開き、先ほどくり抜いた顔を好きな位置に配置します。
今回の顔は、少し暗めなので一旦、顔色も調整しました。その後、レイヤーが分かれていると”削除ツール”が使えないのでレイヤーを結合し、もう一度、先程の工程を繰り返します。






顔の向きを変形で変え、更に画像補正、明度彩度の変更と、輪郭補正をして、生成をしました。
おまけ:画像生成AIの特性を利用


(…にしても、くり抜き削除が雑だな…)
余計な情報を(背景、もしくは衣服なども)消した(背景は単色)画像を用いて再度、 Image-to-Imageへ!
無限ループになる可能性も否めませんが、しつこく諦めない気持ちが大切です(涙)!
生成AIのキャラクターの一貫性はやや弱めなので、何度か試行して調整する必要がありまが、ピンポイントで指定する事が大切。
今後も、追及、追記していきたいと思います。
参考までに是非こちらも読んでいって下さい!

