マルチモーダルAIモデル




マルチモーダルAIって何?
従来のAIと何が違うの?



テキストだけでなく画像や音声も理解するようになったAIの事を、
”マルチモーダルAI”と言うのよ。
本記事では、マルチモーダルAIの仕組みや最新モデルの特徴を解説。
さらに、実際の活用例や今後の可能性についても詳しく紹介します。
マルチモーダルAIとは?
マルチモーダルAI(Multimodal AI) とは、複数の種類のデータ(テキスト・画像・音声・動画・センサー情報など)を統合して処理できるAI のことです。
マルチモーダルAIの仕組みとは?
例えば、従来のAIは テキストだけ(ChatGPT)や 画像だけ(Stable Diffusion)といった単一のデータを処理するものでした。
しかし、マルチモーダルAIは テキスト・画像・音声・動画・センサー情報 など、異なる種類のデータを統合的に理解・生成 できるのが特徴です。
🔹 仕組みのポイント
- データの統合処理:異なるデータ(例:画像+テキスト)を組み合わせて学習
- クロスモーダル理解:ある情報(画像)から他の情報(テキスト)を推測
- 生成能力:複数のモーダルを使い、新しい情報を生み出す(例:音声→字幕作成)
従来のAIは、テキストのみ(GPTシリーズ)、画像のみ(Stable Diffusion)など、単一のデータを扱うことが多かったですが、
マルチモーダルAIは複数の情報を組み合わせて理解・生成できる というのが大きな特徴です。
マルチモーダルAI ”GPT-4V(Vision)”登場時の面白いエピソード
AIが画像を「見る」ようになった瞬間
2023年に発表されたGPT-4Vは、テキストだけでなく、画像を理解する能力を持つマルチモーダルAIでした。この発表を受け、ある開発者が試しに手書きの「これ何?」というメモと一緒に、自分の冷蔵庫の中身の写真をAIに送信しました。
するとAIは、**「牛乳、卵、トマト、チーズがあるので、オムレツが作れますよ!」**と回答し、さらに簡単なレシピまで提案したのです。これには開発者も驚き、「まるで未来のキッチンアシスタントみたいだ!」とSNSで話題になりました。
このエピソードは、マルチモーダルAIが単なる情報処理ツールではなく、実生活に密接に関わるアシスタントになり得ることを示しています。
今後、AIが画像・音声・テキストを統合的に理解することで、私たちの生活がどのように変わるのか楽しみです。
オープンソースのマルチモーダルAIモデルとは、テキストや画像など複数のデータ形式(モーダル)を統合的に処理できるAIモデルで、そのソースコードが公開されているものを指します。これにより、開発者や研究者はモデルを自由に利用、改良、再配布することが可能となります。
「モーダル(Modal)」とは?
モーダルとは、情報の種類(データの形式)のことを意味します。
例えば、以下のようなものがあります:
- テキスト(言語情報)
- 画像(視覚情報)
- 音声(聴覚情報)
- 動画(視覚+音声)
- センサー情報(触覚データなど)
「マルチモーダル(Multimodal)」
複数のモーダル(種類の異なる情報)を組み合わせて処理することです。
例えば、マルチモーダルAIは以下のようなことができます:
✅ 画像+テキスト → 画像の内容を理解し、テキストで説明する(例:画像キャプション生成)
✅ 音声+テキスト → 音声を聞きながら文字起こし&内容を分析する(例:AIアシスタント)
✅ 動画+テキスト+音声 → 映像を見ながら話している内容を理解し、字幕を生成する(例:自動字幕生成AI)
「マルチモーダル理解(Multimodal Understanding)」とは?
AIが異なる種類の情報を組み合わせて、より深く理解する技術のことです。
例えば:
1️⃣ 画像を見て、その内容を説明する(例:「猫がソファの上に座っています」)
2️⃣ 質問に対して、画像を見ながら答える(例:「この画像の中に何匹の犬がいますか?」)
3️⃣ 動画を解析し、登場人物の感情を推測する(例:「このシーンでは登場人物が怒っているように見える」)
代表的なマルチモーダルAI
現在、以下のようなマルチモーダルAIがあります。
AIモデル | 特徴 |
---|---|
GPT-4 Turbo (OpenAI) | テキストと画像を処理可能 |
Gemini (Google DeepMind) | テキスト・画像・動画・音声を統合的に処理 |
Claude (Anthropic) | テキスト中心だが、画像解析にも対応予定 |
Flamingo (DeepMind) | 画像+テキストの解析・説明が得意 |
DALL·E (OpenAI) | テキストから画像を生成(画像編集機能あり) |
Stable Diffusion | 画像生成だが、テキストプロンプトと画像入力を組み合わせ可能 |
特に、GPT-4V や Gemini 1.5 は、視覚と言語の統合が進んでおり、実用性が大幅に向上 しています。
例えば、GPT-4Vは 手書きメモを読み取って内容を解説 したり、画像の内容を分析 したりすることが可能です。
マルチモーダルAIとマルチモーダル理解の具体的な活用例
✅ AIアシスタント(例:画像認識機能)
AIによる画像・動画の解析
→ AIが写真を見て内容を説明したり、動画から重要なシーンを抽出したりできる
テキスト+画像の検索・質問応答
→ 例えば、写真を見せて「これは何?」と聞くと、AIが正確に答える
画像・音声・テキストを組み合わせた生成
→ 例えば、文章を入力すると、その内容に合った画像や動画を生成できる
✅ 自動運転 → カメラ(画像)、LIDAR(距離)、音声指示(テキスト)などを統合して判断
ロボット・自動運転への応用
→ カメラやセンサーの情報を統合し、AIがより精度の高い判断を行う
✅ 医療診断AI → CTスキャン画像+医師の所見を統合して病気を診断
2024年、ソフトバンクは、自動運転車の運行業務の完全無人化を目指し、低遅延なエッジAIサーバーで動作する「交通理解マルチモーダルAI」を開発しました。このAIは、自動運転車の前方映像と交通状況に関するプロンプトを入力することで、複雑な走行状況やリスクを判断し、安全な走行を可能にするための推奨アクションを生成します。2024年10月から、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスで実証実験が開始され、自動運転車が予期せぬ事態に直面した際の遠隔サポートの有効性が検証されています。
引用元:ソフトバンク
最近のAI(GPT-4、Gemini、Claudeなど)は、画像・音声・テキストを組み合わせて理解する能力が向上しています。
まとめ
✔ 「マルチモーダル理解」= AIが異なる種類の情報を統合して理解する能力
マルチモーダルAIの今後
- より高度な統合能力を持つモデルが登場(例:GPT-5, Geminiの進化版)
- リアルタイム処理が可能なAIの発展(音声・映像を即座に解析・対応)
- 3Dデータや触覚情報の活用(より人間に近い感覚で判断・生成が可能に)
マルチモーダルAIが進化することで、AIの活用範囲がますます広がり、クリエイティブな作業から産業・医療・教育まで、多くの分野で革新が起こる と期待されています。